村上春樹さんの小説「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」について
はやつ~です。今回もぼいろぐやっていきたいと思います。 今回のテーマは「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」です。
これは村上春樹さんの小説です。少し前に、「街と、その不確かな壁」という小説を読んで、
改めてこの小説を読もうと思いました。 実はかなり以前からこの小説を読んでみようと何度かトライしてたのですが、
全然最後まで読むことができず、何度も何度もエレベーターを上がったり降りたりしているような最初のシーンを読む
ハメになっていたのですが、今回「街と、その不確かな壁」を読んだ後にこれを読んだということで、どうにかこうにか最後まで読むことは一応できました。
ただ、あまり本を読む手が止まらないようなそういう感じではなく、淡々と粛々と読んで読み終わったというところでした。
正直すごい面白いという感じでは個人的にはなかったです。内容としては「街と、その不確かな壁」の方が好みかなと思いました。
ただ、話の中に出てくるシャフリングというのはなかなか面白いなと思いました。
おそらくこのシャッフリングというのは、これは私の解釈なので間違っている可能性もありますけれども、
その人自身の深層心理、その心の奥の奥の奥にある自分のアイデンティティに関わるようなコアとなるような情報を鍵としたものだと思うんですけれども、
それがその人自身のその人がその人であるということの最大の鍵みたいなものだというのはなるんじゃないかなと思って、それは興味深いなと思いました。
今時だとITの世界では鍵認証、秘密鍵と公開鍵を使ってやるようなもの(正式にはは「「公開鍵暗号方式(Public-kley cryptography)」と呼ぶようです)が多く活用されていますけれども、
この秘密鍵に相当するものがそのシャッフリングで使われるようなアイデンティティというふうに考えたり言えたりするんじゃないかなと思ったりしました。
最近この秘密鍵っていうのを結構コピーしたりとかするケースが多くあるなという印象があって、
それをコピーして良いのか?という思いが私の中にちょっとあるんですけれども、
セキュリティのトレードオフ的にはそれが現実的なんだろうなというふうには思いつつも、
秘密鍵は非常にその街、壁に囲まれた街ぐらい大事なものとして、それを生成したコンピューターの中から動かせないものっていうぐらいの扱いというふうに個人的にはしたいなという気持ちはあったりします。
ただ最近はSSHログインのキーをサーバーで生成されたものをクライアント側にダウンロードしてきて、それでそれを保存して使いましょうみたいな感じになっていて、
これはセキュリティ的にはどうなのかなと思ったりする部分もあります。
ダメというラインというよりは、セキュリティってゼロか全部かということではなくて、より強固な、よりベターな、より安全性の高いセキュリティレベルを担保するというところなので、
そのあたりが秘密鍵っていうのは、秘密鍵をネットワークでサーバーからダウンロードして使うとか、みんなで共有して使うとかいうのが比較的気軽にというか、安易にというか、行われるときにこのシャフリングの例えとか、壁に囲まれた街の話をしたいかな、とかちょっと思ったりしました。
あとはこれは別の話で、最近「涙の女王」というドラマを見て、そのドラマの中で脳に病気が、腫瘍かな、病気でそれを手術する方法っていうのが、不治の病で余命3ヶ月とか言われてたんですけれども、
それをなんとか治す方法があるということで手術するんですけれども、それの代償として記憶を失ってしまうという下りがありまして、これも記憶を失ってしまったら、その人の秘密鍵を、壁に囲まれた街が失ってしまうということとすれば、
それはもうそれで生きているっていう、生き続けられたとは言えないかもしれないと思ったりもしました。
今後、科学が発達していく中で脳の機能をほぼコピーできるぐらいの状態。コピーにもいろんなレベルがあると思うんですけれども、
例えばAさんという人がいて、Aさんに質問したらこう回答するっていうのを、だいたい同じように受け答えできそうなAIぐらいは、もう結構すぐ近くまでできそうな気がしますし、
もうちょっといろんな情報を読み取れるように、これはだいぶまだまだ難しそうですけれども、脳をまるごとクラウド上にコピーするみたいなことも、もしかするとできるようになるかもしれないなと思うわけなんですけれども、
その時にその壁に囲まれた街、秘密鍵がコピーできるのかどうかということと、コピーできてしまう怖さというのもあるかもしれないし、
それによって人は永遠の命を手に入れることができるのか?みたいな、ただ自分のクローンみたいなのができたら(自分が二人存在してしまう問題)みたいな、そういうSF的な世界が近づいているなというのを思ったりしました。
というわけで取り留めのもない話になってしまいましたが、今回のぼいろぐは以上です。ではまた次回。