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田中 愼一
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
はい、みなさんこんにちは。コミュニケーションを極めると、自分が見えてくる、世界が見えてくる。 コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーション命、シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住、中川 浩孝です。今回はけいこさん、お休みということで。
田中 愼一
そうですね、急にお休みで非常に忙しいようなんで、今回は2人で何とか頑張って守り抜きたいなというふうに思います。
じゃあちょっと事はじめというか、僕が昨日ある友人と会ってですね、久々だったんですね。オンラインでは少し話してたんですけども、はっきり言うとコロナ前かな、最後。
中川 浩孝
おーずいぶん経ってますね、そしたら。
田中 愼一
いろいろ話してるうちに、彼は7年以上かな、ひとりごとっていうメールをですね、毎日書いてるんですね。
で、いろいろ知った人とか出会った人なんかにそれを送ってるんですけども、
で、僕もたぶんかなり前から知ってるんだ。何年間前かな、わかんないけど、彼がそのメールを始めたのがたぶん7年ぐらい前なんですけど、それから毎日来るんですね。
中川 浩孝
毎日はほんとすごいですよね。
田中 愼一
すごいですね。結構ね内容がひとことじゃなくて、しかも例えばこういうハンバーグ食べたとか、そんな話じゃなくて。
いろいろ出会った人、気づいたこと、そこあたりをですね、非常に分析力を持ってやってるんで、非常に豊富な知識と同時に視点ですね。
視点っていうものがですね、結構豊富に彩られてるっていうメールなんですね。
忙しいときはちょっと結構めんどくさいと思うんだけど、時間があってパッと見ると、あ、なるほどっていうことがよくあるんですね。
そういう意味で、昨日久々に彼のひとりごとのメールに関していろいろ話をしてるうちに、
彼が言ってきた一言がですね、長年やってきて自分の文章をうまくするために、そういうのを書き始めたんだけど。
書き始めてみるとですね、やっぱり4年間もやってると、自分のアンテナが非常に研ぎ澄まされてるなっていうことを感じると、
つまりその1日の気づきの回数が増えるってことですね。
今までは例えば1日仕事してて、気づいたっていうのを、気づきっていうのは意識しなくても気づいてる部分もあるんですけども、
意識できた気づきの数っていうのが確実に大きく増えてる。
つまり物事を見る目、もっと言い方をするとそこから受信するもの、そのアンテナがですね、やっぱりすごく強くなってるっていうことを言ってたんですね。
中川 浩孝
何かを書くアウトプットをするために、やっぱり自然とインプットが増えてくるっていうことですよね。
田中 愼一
そうでしょうね。やっぱりアウトプットをすると間違いなくインプットが増えてきますから、
ある程度出口戦略を固めると逆にどんどん入ってくるっていう、こういうメカニズムを利用してるんでしょうね。
だからもちろん文章も慣れるんだろうけども、非常にそのアンテナを強めるっていうのは今の我々にとってものすごく重要なポイントで、
今はものすごく不確実性とか文化とかいろいろ言われながら、グローバライゼーションとかオープンイノベーションとかいろんなことが今起こってて、
いよいよAIの波動が本格的にスタートするっていうことで、ノーベル賞もAIが今回は非常に脚光を浴びましたし、
そのときに受賞された方が言ってたのが、人類は初めて自分より優秀な相手とどうやっていくかっていう、ある意味危機感ですよね。
そういう意味で実は非常に、僕の言葉で言うと、有事365日の時代に突入っていったんですけども、
すべてが有事になっていく。有事って何かっていうと想定外なんですよね。
想定外のことばっかり起こるようになる。想定内のことが起こるっていう時代はもう過ぎ去って、これからは想定外しか起こらない。
田中 愼一
そのときに、想定外が起きたときにどう対応しなきゃいけないかっていったときに、
やっぱり重要なのは先ほどね、僕の友人が話してくれたアンテナを強くしておくっていうことが、
想定内ってのは別にアンテナ強くしなくたっていいわけですよ。想定内だから、まだ起こる前に準備しておけばなんとかなるっていう世界だけど、
想定外の世界っていうのは、ボーンと想定外が起きた瞬間に、そこに対して瞬時にアンテナ機能を働かせて、
今どういう状態なのかっていう、自分が想定内の風景を見てる人間が想定外の世界に引きずり出されたら、
もうパニック以外になんでもない。そうすると、引きずり出された瞬間に唯一聞いてくるのが、
その人が今までどれだけ自分のアンテナを培ってきたかというところだと思うんですね。
アンテナが張ってあると、瞬時にそういう想定外が起こっても、
瞬時にいろいろな形で風景をイメージできるんですね。
いくつかの想定外が起こったら、これどういうことなんだっていうのをですね、
アンテナがあればしっかりとそこを組み立て直して、
今まで自分が想定内だと思ってた世界から一挙に想定外に対応する世界はこういうもんだっていうふうにイメージする能力が、
圧倒的にアンテナが高いと強いんで、
たぶんそういうアンテナ機能を持つことが、実はその想定外の有事365日の時代を生き抜くためには必要で、
その一つの手法っていうのが、今言ったひたすら書く、気づきをどんどん書いていく毎日。
そうすると、今まで気がつかなかったものも、これもしかしたっていう気づく能力がどんどん培われてくる。
それが今これからの現代人には求められていくんでしょうね。
田中 愼一
なんかそんな気がしますね。
中川 浩孝
それこそ本当に想定内のことはAIが対応できる時代になってしまうので、
普段の本当に想定外のことしか、日本人間が対応しなくてはいけないことはなくなってくるのかなって考えると本当に大変ですよね。
常に本当にアンテナを張って、常にその訓練というか、想定外に対する対応する考えを柔軟にするっていう、
そういう訓練が普段から必要だっていうことですから、人間大変になってきますよね、どんどんどんどん。
田中 愼一
いや本当に、だから人間として何をしなきゃいけないのか、
どういうふうに自分を生き抜くために何を準備しなきゃいけないのかっていうことがこれから問題になる中で、
今までは知識をためればいいっていう発想があったじゃないですか。
でも知識だけだって、想定外には対応できなくて。
中川 浩孝
本当そうなんですよね。
田中 愼一
昨日の友人との話でも、実は自分がアンテナを強化するときに邪魔になるものの一つとして、知識が入ってたんですね。
中川 浩孝
でもそう、常識とか知識とか過去の経験とかって邪魔しますよね。
田中 愼一
邪魔します。だから本人のメールを見ると、一人ごとのメールを見ると、知識が本当に入ってるんですよ。
だから知識を使ってることは間違いないんだけど、
実はそれであるがゆえにそこに呪縛されて、自分のもっと自由な発想っていうのは取れなくなるっていうのは言ってましたね。
だから基本的には、知識をいくらため込んでも、今のこれからの有事の時代には生きていけないって話ですよね。
しかもそこは今ヒロさんが言ったように、AIが支配する世界ですから。
そうすると我々人間は想定外に対して対応できる能力を作っておくことが必要になる。
それは知識ではなく、どっちかというと今言ったアンテナ機能なんでしょうね。
だからアンテナをどれだけ強化できるかっていうのはこれから面白いなと。
その手法っていうのはどういうものがあるのかなっていうのを考えると、
一つの方法論は今言ったアウトプットを増やすことによって、強制的にインプットをするっていうのは間違いなく一つのあるでしょうね。
中川 浩孝
私たまたま本当友達でノートを、ノートってブログみたいなものですけど、毎日毎日書いているっていう人がいるので、
やっぱりそれも最初は結構産みの苦しみというか大変だったみたいなんですけども、
やっぱりネタ探しというか、普段からやっぱりアンテナを張っているっていう風になっていくっていうのは言っていたので、
すごくそれはやっぱりなんかまさにそういう力が働いてくるんだろうなっていう感じがしますね。
田中 愼一
だからそこあたりは非常に重要なんでしょうね。
歴史的に見るとやっぱり生きる死ぬという結構切羽詰まった状況に人間が陥ると、人間社会が陥ると、
基本的には人間自身のアンテナ機能が強化されますね。
例えば日本の歴史で言うと戦国時代っていうのは、ある意味生きる死ぬ、まさに滅ぼし合う世界だったわけで、
それが100年以上続いてるわけですよね。
そうするとそこで育った人間のいわゆるアンテナ機能っていうのは、たぶんとてつもなく高いものがあるんじゃないかなと思いますよね。
そこを生き抜いてきた代表格っていうのが、ご存知の信長、秀吉、それから家康って感じがあるんだけども、
やっぱりあの当時を振り返って、僕は戦国時代っていうのは好きなんで、いろいろ見てると、
いわゆる世に言う戦国大名っていうのは、実に発信力が強いんですね。
非常にコミュニケーション力っていう意味で、武力だけで生き抜いてるんではなくて、
猫も尺子も使わなきゃいけないのが生き残るっていう状況なんですね。
武力だけで生き残るなんて誰も思っちゃいないわけですよ、その当時。
武力だけじゃ限界だってわかってるから武力以外の力を模索するんですね。
当然人間ですから、武力とか財力とか権力とかっていうのを求めて守ろうとして一生懸命やるんだけど、
それ以外の力っていうものに当然ながらみんな創意工夫をするわけですよ。
そうすると当時はコミュニケーション力学っていう言葉はなかったんですが、
間違いなく戦国大名のコミュニケーションってどのぐらいのレベルだったかっていうと、
たぶん今の日本人よりも鋭かったと思いますね。
中川 浩孝
生きるか死ぬかだから間違いなくそうですよね。
田中 愼一
間違いなく。それも一瞬で終わった話じゃなくて、
例えば明治維新とか第二次世界大戦っていう数年で終わる話じゃなくて、
何百年っていう形で、100年を超えする期間ずっとそういう状況に置かれてる人間の中では、
基本的には、今の言葉で言うとコミュニケーションなんですけども、
つまり受信する能力。受信したものから発想する能力。
発想したものをどう外に表現するかっていう発信能力。
この受信、戦略、発信っていうこの3つの機能を人間は回してるわけなんですけども、どんな人間も。
クライシスに落ちるとその回転数が高まるんですよ。
絶えず受信する。絶えず発想する。絶えず発信していく。さらに受信していく。
この回転数がものすごく速いっていうことは、受信力がめちゃくちゃ高まるんですね。
これを回していくとその回転率がですね、戦国時代の戦国、特に戦国武将っていうのは、
高回転速度、高速エンジンですよ、完全なる。
田中 愼一
これは現代人のリーダーよりも圧倒的に速い。
そうなると基本的にアンテナ機能がめちゃくちゃ強くなっていくんですね。
つまりオートマティックに受信が増えるから。
そうするとその受信に基づいて、とにかく状況を判断していくって能力が非常に高まるんで。
本当にあの頃、武田、上杉、北条、今川、それからこっちの西で言うと、
毛利とか島津とかね、長宗我部とかね、あるいは真ん中にいた細川とか松永とか三好とか、
いわゆる戦国大名の連中っていうのはとてつもない。
そういう意味で言うと、今の言葉で表現するとコミュニケーション戦略っていうか、
コミュニケーション力っていうか、戦略コミュニケーションというか、
そういう能力っていうのは長けてたと思います。
だから戦国時代を学ぶっていうのは非常に、今の現代社会、
有事365日に入ったということから考えると、もう少し戦国時代から学ぶことが多いんじゃないかなと。
あとは戦国時代の締めに登場した信長と秀吉と家康、ここあたりなんか見るとすごく面白いでしょうね。
中川 浩孝
命がかかってたっていう意味では確かに大切なんですけど、
速さっていう意味では面白い、どうなんでしょうね。クオリティはどうかっていうのはありますけど、
やっぱりソーシャルみたいな時代になってくると、回す速さっていうのはすごい速そうな気がしますけどね。
クオリティは違うと思いますけど。
田中 愼一
もっと多分クオリティは違うでしょうね。
クオリティは違うかもしれないけども、少なくてもそこで働いている絶対的なスピードとか、
そういうKPIじゃなくて、多分心理でしょうね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
つまり戦国当時に生きていた心理が、現代ではどこに心理があるのかっていう。
だからたぶん、もちろんネット社会になれば、戦国時代のスピードなんかよりも圧倒的に早いっていう、
スピード感の中で生きていかなきゃいけないっていうのはあるんでしょうけども、
四六時中戦国の世っていうのが100年以上続いた中で、
そうなったときに、じゃあ心理って何なのかっていったときに、
やっぱり安定な機能を持つっていうのは一つの心理で、
これは現代でもまだ全然重要する心理だと思いますね。
そうすると、現代の中で我々は戦国時代に生きてるわけじゃないから、
我々も戦国時代にタイムマシーンで行って、100年ぐらい過ごせばね、
当時の戦国大名の発想とか、アンテナ感度っていう、
まあ感度っていう言葉も使えると思うんですけども、理解できたと思うんだけども、
そうもいかんもんで、そうなると、多分これからどうなんでしょう、
あの戦国時代みたいな世の中に、これから入っていくんじゃないですかね。
要するに、そんな数年で終わるもんじゃなくて、
100年、200年、あるいはもうこれからずっと。
だってどう見たって、戦国時代、有事になる要素の方が多いんですよね。
田中 愼一
一番大評価がAIですよ。
AIには想定外のものがものすごくふんだんに含まれているんで、
そういう想定外のものが、だからありとあらゆる環境問題もそうでしょうね。
自然環境がこれだけなってくると、どう見ても有事の時代にならないという要素はほとんどないと考えたほうがいいでしょうね。
だからそうなると、やっぱりアンテナっていうのをどう鍛えていくかっていう。
中川 浩孝
アウトプットを増やすこと以外に、その能力を鍛える方法っていうのはどういったものが考えられるんですかね。
田中 愼一
アウトプットね、アウトプット以外っていうことで言うと、
アウトプット主導っていうのはたぶん一つの原理だとは思うんですけど、
問題は、アウトプットをすれば自動的に受信はするんだけど、受信したものをどう料理できるのかっていうところがもう一つ。
アウトプットすると受信は増えるんですよ。
これはアウトプットっていう功用だと思うんだけども、
受信はできてもその受信を処理できるかっていう方が発想ですね、次の段階ですね。
だから発想できるかっていうところが重要になるんで、受信できるようになったら次は今度はその受信したものから何を発想できるか。
言葉を変えると、そこから覚醒できるかどうかでしょうね。
中川 浩孝
でもそうですよね。本当にそうですよね。
田中 愼一
実はその友人と昨日話した中で、彼が一つ言っていたのは、
7年ぐらい長く書いてるとですね、だんだん昔から読んでる人たちから飽きられると。
新しい人が入ってくるんだけども、だんだんそういう古手の人たちをどうつなぎ止めるかっていうのが、
実はすごく今チャレンジになってるっていう話があって。
その中の一つの僕が思った基準っていうのは、
僕自身も書くことによってインプットを増やすという原理を使ってるもんですから、今ヒロさんが言ったようなね。
やってると、当然ながらマンネリ化するわけですよ。長年ずっとやってると。
そのマンネリ化を防ぐための唯一の方法論っていうのが、
そのときに僕は彼と議論しながら話したんだけども、
一つは書いてるときにですね、自分自身の心がワクワクするかどうか。
書いてて非常にワクワクしてるときっていうのは、筆が走るんですね。
どんどん文章が出てきて、すごい俺天才かと思うくらいにどんどん走ってって、それがワクワクさせるんですね。
実はそれがある意味ワクワクするっていうのは覚醒してるって僕は思ってるんですね。
自分の中にあったものが外に覚醒してきたって感覚なんですよ。
しかもその覚醒っていうのは何かによって呼び覚まされるっていうものがあるから、
目の前に現れているいろんな風景とか受信する風景とかいうのが、
きっかけとなって自分の中にあったものが覚醒するってこれが覚醒なんですね。
つまり重要なのはそれをどう覚醒させるかっていったときに、
一つの方法論っていうのは、自分がワクワクしていることを書いてるかどうか。
これがたぶんね、基本になると思います。
中川 浩孝
それは大切ですよね、確かに。
田中 愼一
だから絶えず自分が書く、発信する、書くっていうことがワクワクする。
あの今大河ドラマやってますよね。光、源氏物語の。
紫式部は書いてるときは本当にワクワクしてる表情で書いてるんですよ、ドラマで。
もう寝ずに一生懸命筆を走らす。
あれ間違いなくワクワクして書いてるわけですよね。
だからいかに自分がワクワクして書けるものを書けるかっていう、これですね。
これが一つ発想を鍛える、発想するっていうのは基本的には、
覚醒したことが気づきなわけですから、その気づきが発想になるわけですよ。
そうするとユニークな発想だって思われるわけですよ。
だからその覚醒のスピードをどれだけ上げられるかってことでしょうね。
覚醒のスピードを上げるには、外の世界からきっかけをもらわないとダメなんですよ。
だから受信を増やさなきゃいけない。受信がどんどん増える。
その増えた受信の中に、自分を覚醒させるきっかけを見つける。
そうすると自分がワーッと覚醒する。そうすると自分がワクワクする。
そうすると自分がワクワクすると書き始める。筆が踊る。走る。
で、これね、グワーってこう行くと、それがイノベーション。
そうですね。
中川 浩孝
やっぱりそのためにはもちろん、アウトプットするっていうこと、インプットするっていうこともそうですけども、
インプットするためにもですけれども、外に歩いて行ったりとか、外に自分から出て行って、
やっぱり情報をわざわざ収集しに行かないと、やっぱりそういう出会いはなさそうですよね。
田中 愼一
多分ですね、まさにその通りだと思いますね。
ただもう一つ重要なのは、自分の中に入っているものっていうのはどのぐらいコンテンツがあるのかっていうね。
中川 浩孝
それはもちろん大切ですよね。
田中 愼一
それが少なかったら、いくら覚醒しても出てこないわけですよ。
中川 浩孝
確かにね。
田中 愼一
そこは何なのかって考えることが重要で、
そこがある意味、仏教思想とか、あるいはユングの精神心理学あたりにある無意識の世界っていうところ。
ここがたぶん鍵握ってるんだと思うんですね。
だから基本的に、例えばユングは一般無意識って言いましたっけ、あるいは世界意識っていうのかな。
要は人間っていうのは、一番無意識の底に共通した無意識を持っていて共有してるんだっていう発想ですね、ユングのね。
あの発想なんかっていうのは、ある意味で言うと、
我々全ての人間がビッグデータを持ってると。
共有したいわゆるプラットフォームを持っていて、そんなイメージですよね。
たまに何かあるとそこからスパッと出てくると。
その中でユングがマンダラに興味を示したのは、
マンダラに似たような図形っていうのが世界各国の違った文化、つまり仏教文化じゃないところにもたくさんあると。
しかも精神科医だから彼は、いろいろな精神の疾患を対応していると、
なんかみんなマンダラの絵を描き始めると。
それによってこういうとこがあって、
まあそこからいわゆるそういう無意識の世界の奥の方にはたくさんいろいろなものがあるんじゃないのっていう前提があるんだけど、
仏教の思想も同じ思想を持っていて、
いわゆる無意識のところをですね、いくつかの段階に区切って、
はっきり言ってユングとやってると同じような発想方法を2500年前ぐらいにもうすでに持っていて、
でそれがあるわけですよ。
だから問題はそこをどう充実させるかっていうことは、どういう話なのかっていう話になっているわけですね。
それはさっきヒロさん言ったように、あらゆる経験すること。
中川 浩孝
その状態というのは、少なくとも経験や知識というものはある程度は自分の中に蓄積していないと、その先にはいけないっていうのもあるじゃないですか。
田中 愼一
それはそうでしょうね。あるとは思いますけど、その知識の再構築はできると思うんですね。
違うフォーマットに人間は理解できるような能力を持ってるし、そのフォーマットっていうのはデジタルだけでは明らかにはできない世界。
知識って基本的に分けることから全部積み上がってるわけですよ。
でも人間が生きていく中で分けるっていうだけでは型がつかない事象ってたくさんあるわけですよ。
だからシンクロするとかいう、ある意味と量子力学なんかで問われている、
え?って思うような、分けるということではもはや理解できない世界っていうのがもう出てきてるから、
それは新しい知識と呼ぶのか、それとも知識とは違うものとして呼ぶのか知りませんけども、
やっぱり単にAIがどれだけ進化するか知りませんけど、
AIがデジタル分けるという世界の枠の中で生きている限りは、やはり限界が出てくると思うんですね。
そうなったときにやっぱり、自分の中に溜め込んであるこの無意識の、自分の宇宙の中にですね、
イメージとして外の宇宙と同じぐらいの大きさを持っている宇宙が自分の中にあるわけですよね、イメージで言うと。
自分の中のイメージと一番向き合って来たのが歴史上、宗教なんですよ。
特にそれをある程度科学的に分析してまとめたのが、
多分仏教で2500年前からできている。もしかしたらその先のインド哲学の中でもその世界があるかもしれないです。
でもそこあたりっていうのはだから、これからは外の世界、宇宙っていうのを理解する人間は理解することはもちろん重要だし、
これからも出てくると思うんだけども、今どっちかというとだんだん特にAIが出てくる世界になると、
自分の内なる宇宙っていうんですか、そこに対する探検、探求っていうんですか、
っていうものが多分これからもっともっと出てくるんじゃないですかね。
だからわからないですけど、やっぱり我々は外なる宇宙から始めましたよね、探求。
で、やってるうちにだんだんどうしても不可解なことが起こって、どう見てももう一つ宇宙があるなと。
それは何かというと自分の中に宇宙があるんだなと。
だから二つの宇宙の中にあるわけだから、人間はやっぱり生きるって言ったときにはその二つの世界の宇宙っていうのを、
これからは意識せざるを得なくなるんじゃないですかね。
だからそっちがもしかしたら一つの方向性だから、
わからないですけど、ノーベル賞でもだんだん今年がAIだから、次にそのAIを超えたもう一つの宇宙。
つまり自分の宇宙っていうか、内なる宇宙を究明するようなところをやっている。
もしかしたら、量子力学あたりから出てくる可能性はあるかもしれない。
つまり分けない科学。分けない科学っていうのが出てくるんじゃないかって気がしますね。