2024-12-07 43:16

#75 兵庫県知事選

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兵庫県知事、再選。マスコミで悪者扱いされていた知事が再選した理由とは。(このポッドキャストは日本時間の 11 月 20 日に録音されたものです。)

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

00:00
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさん、こんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。 コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーション命。シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して、はや四半世紀以上、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住、中川浩孝です。
田中 愼一
今日は何となく、最近起こった事象で興味あるというのを捉えると、やはり兵庫県の知事選ですね。
斎藤総知事が再選されたという動きは、全国にかなりの驚きを持って受け取られたと。
あれだけマスコミで叩かれ悪者扱いされていた知事が、突然一旦失職をして、一度基本的に再選を狙って、
受かっちゃったっていう。しかも不死鳥で受かったっていうですね。
これは一つ大きな事象として考えてみる価値はあるのかなというふうに思う。
だからちょっといろいろ考えてみて、
その相手方だった、2番手につけた稲村さんという女性がいらっしゃって、
その方が負けた段階でインタビュー受けてて、何と戦ってたかわからない。
候補者同士の政策論議でもないし、かといっていわゆる資質がどっちがいいかっていう議論でもなく、
とにかくいつのまにかこう流れが出来上がってきて、
彼女の言葉で言ったように、斎藤候補のストーリーが勝手に出来上がった。
どういうストーリーかというと、
いわゆる改革を進めようとしたら議会からクビにされたという。
一種の改革をしようとしたんだけども、
実は抵抗勢力というか、既得権のあるところから潰されたようなイメージ。
これ事実とは全然かけ離れた部分は多くあると思うんだけども、
そういうストーリーが事象として生まれて、そこにみんなが乗っかってSNSが過激に動き出したっていう。
03:08
田中 愼一
だから事実が何というよりも、
人間というのは基本的には知識では動かないんですけども、
やっぱりストーリーで動くんですね、人間の心っていうのは。
そのストーリーが何らかの形で、今回は自然発生的に生まれて、
これは僕は斎藤陣営の意図があったとは思えないんですね。
戦略を作ったというのは、後で解釈すると戦略的に動いたっていう説明はできるけど、
実際のところ、僕も選挙は国政選挙3回経験してるけど、できないですね、はっきり言って。
後から見ると戦略があったように説明することはできるんだけども、
実際あれはね、どっちかというと自然発生的にそういう……
中川 浩孝
仕掛けたからできたわけではないってことですね。
田中 愼一
あるいは偶然にいろいろな仕掛けが積み重なって、事象的にボーンと出てきたんで、
一つの意思の中でちゃんとコントロールされた戦略っていうふうには、
僕は取らないほうがいいかなとは思ってますね。
ただ、世のコンサルタントはその後の意味づけをしなきゃいけないから、
それをなぜ斎藤知事は勝ったかっていう理論づけをね、
へ理屈を作るんだろうと思うけども、実態は僕はそうじゃないと思ってて、
だからそれだけに非常にこういう現象が竜巻のごとく起こってくるわけですよ、選挙では。
これがやっぱりある意味トランプ現象とも似てるし、
もっというのはその前のオバマ現象にも似てきてる。
一つの現象が出てきちゃうんですね。
その現象が一つのストーリーを伝えてしまうんですね。
だからそれがね、今回の斎藤兵庫県知事の選挙に如実に出てきたな、日本でもっていう感じですね。
中川 浩孝
私はソーシャルとかを見ていて、最後の方にNHKから国民を守るの立花さんが、
最後の方で斎藤さんを推すみたいな不思議なことが起こっていて、
それやっぱり立花さんソーシャルというか、やっぱりあの世界ではとても人気というか、
ある程度ファンがいるので、
その人たちがやっぱりソーシャルの中ですごくそれを拡散したっていう感じは私は見て感じたので、
ああ、なんか流れ的に何かが起こるのかなっていう感じはちょっとしてたんですよね、やっぱり。
田中 愼一
あの人は何となく流れに乗った感じですよ。
中川 浩孝
すごいでも流れに乗ったんだと思いますよね。
田中 愼一
非常に流れが上手いから、パッと自分のチャンスとしてレバレッジしたっていう意味では、
センスはあるなとは思いますけど。
ただ、今回いろいろ特徴があるなって思ったところで面白かったのはですね、
やはりいい意味でも悪い意味でも、
悪口を言われて嫌われるっていうのは、実はこういうような現象が起こるときに、
06:02
田中 愼一
あるんじゃない、例えばトランプでもマスコミでものすごく批判されて、
もう悪者っていうふうにされたのに、
いざ選挙になったら勝っちゃったっていう。
ここあたりの現象が今回斎藤さんのところでも出てきたのかなって気がしてて。
はっきり言ってこれは兵庫県の話なのに、全国の話ですよね、ずっと。
その中でいろいろなテレビの報道番組や様々なところで取り上げられて、
たかが知事選と思ってたのが全国区のメジャーな話題になっちゃって、
それが注目を浴びてて、その注目の内容がどっちかというと悪いっていうね。
斎藤知事悪しっていうような流れが全国区になったんだけど、
これ面白い現象はですね、全国区にそういう悪名でも結構なんですけど、
とにかく全国区で有名になると、
兵庫県っていう県内の人たちっていうのは、
当然ながら周りが兵庫県に注目してるぞって話で、
で斎藤知事に注目してるぞっていうことで、逆にアンテナが高くなっちゃうんですよね、斎藤知事に対する。
だから逆に外でそれが悪評であったとしても騒いでくれたっていうのが、
県内の投票者に対して、より斎藤さんってどういう奴なんだよっていうところで、
そこでだいたいみんな、そういう受信感度を高めると、どこに行くかってSNSに行くわけですよ、一番。
そこに斎藤さんの話がちょうどミートして、かなり積極的にSNSを発信してましたから、
その中にいろいろな映像が出ながら、そこでだんだん正しいのか正しくないのかわからないけども、
一つの事象が生まれてきたっていう。
だから全国は悪名高き斉斎藤知事だったんだけども、それが逆に県内投票権を持っている人たちにとってみると、
より彼に関心を受けて、そう言われてはSNS見てるといろいろな意見がちょっと違うみたいだなとかね。
そこが一挙に、県内でこの流れが。
やっぱり県外ははっきり言って、びっくりはしたけど、別に投票権あるわけでもないし。
県内が非常にそういうふうになってて、県内のレベルだと地上戦が結構物言うんですよね。
中学高校の仲間たちが動いたんですよね。
だから基本的には一つの県だと、あのぐらいの規模だと地上戦が本当に物を言ってくることができるんで、
09:07
田中 愼一
それが結構口コミとかなんかいろいろな意味で勢いを作るときに出てきたんじゃないかなっていうのですよね。
で、あの一人で演説するシーンっていうのは、あれいつ頃出てきたんでしょうね。
高木 恵子
あれ結構、そうですよね。なんかたぶん誰かが、あれはたぶん仕掛けたんだと思うんで。
まあこのアップはしたんだと思うんですよね。
田中 愼一
アップはしたんでしょうね、たぶんね。
あれはやっぱりかなり。
高木 恵子
あれはインパクトありましたよね。
田中 愼一
インパクトありましたよね。だからあそこからは、なんか勝手に周りがストーリー作ってくれたってことですね。
だから事実はともあれ、ああいう事象とか現象に世論というものが押されるっていう。
しかもその世論っていうのが、広い意味での全国区の世論と、
それからその地域の世論っていうのが、分けて考えなきゃいけなくて。
だからそういう意味では今回は、今までは僕全国区の選挙とかいうのは経験したけど、
地方区でのこういう選挙のやり方っていうのが結構大きく変わりますね、これから。
たぶん全国区である程度話題を提供した上で、
自分とこの投票地域に対しては、いわゆるSNSとか、あるいは地上戦を仕掛けて進めていくっていう。
なんかいろいろとね、学ぶべきものは結構あるんじゃないかなって気がしましたね。
高木 恵子
あとそのSNSって自分が検索したキーワードに関連するのが、どんどん広告みたいに出てくるじゃないですか。
広告というか、おすすめコンテンツみたいに。だから一種の広告ですよね。
だから一回、例えばなんか兵庫県知事選とか、斎藤候補とか、なんかそういうキーワードを入れてしまったら、
次からもおすすめコンテンツで自分のスマホとかに来ちゃうから。
だから一回本当検索させるだけで、たぶんSNSの世界は怖いなって思いました。
田中 愼一
だから一回SNSに検索させればいいだけの話なんで、
当然だから悪名高木斎藤さんが今何言っていることで、必ずカットインするじゃないですか。
高木 恵子
そうなんですよ。
田中 愼一
そこからどんどんどんどん行くってことで、一種の洗脳ツールですよね。
高木 恵子
だからそのために今田中さん言ったみたいに、全国のニュースとしてあげれば、
比較的多くの人が、それこそネットニュースとかいろんなヤフートップとかでクリックしたらもう最後ですよね。
そこから流れしきりに自分のスマホにおすすめコンテンツをつけてる。
田中 愼一
だからこれだけ短期間にSNSが動いちゃったっていうのは、これはオバマ現象でも同じことが起こったけども、
12:06
田中 愼一
当然トランプ現象でも同じことが起こってるわけですよね。
でオバマのときはまだ性善説が生きてたからインターネットの。
でもトランプのときは逆ですからね。
逆にそれを利用したのがトランプだと思うから。
だから一回タッチさせればいいわけですよ。
高木 恵子
いやーほんとなんかなかなか。
田中 愼一
なかなかね、選挙っていうのは本当にメッセージの打ち合いなんですよね。
だからSNSが使えなかったっていうのは致命傷ですね、稲村さん。
メッセージの打ち合いっていうのは、攻撃用のメッセージもあれば、迎撃用のメッセージもあれば、
絶えず反論していかなきゃいけないのが、稲村さん反論ができなかった。
中川 浩孝
だから稲村さんが負けたというよりは斎藤さんが勝ったっていう感じですよね。
田中 愼一
まあ明らかにそうですよね。
中川 浩孝
なんかでもトランプ現象の時も一緒だと思うんですけど、
これによってパワハラ問題がどうだったのかちょっとわからないんですけれども、
そこがうやむやになるのはすごく嫌なんですよね。
トランプもやっぱりいろんな犯罪を犯している中で、
今回のでみそぎみたいになっちゃうのは嫌だなと思っていて、
それはちょっと別問題としてやっぱりちゃんとやってほしいなっていうのは思っているので。
高木 恵子
人がお一人亡くなってるわけだから、
田中 愼一
確かにね。
高木 恵子
そこは本当ちょっと皆さん冷静に少し考えなきゃいけないよね。
田中 愼一
考えなきゃいけないこともあるし、
あと逆にこれ斎藤陣営にとってはチャンスね。
どういう意味でチャンスかというと、
百条委員会とか第三者調査2つ動いてるんですよね。
ここに対するどういう態度を示すかによって、
逆にピンチをチャンスに変える。
中川 浩孝
そうですよね。
田中 愼一
いい発信チャネルができたわけですよ。
高木 恵子
たしかに。
田中 愼一
ここで面白いのは、
彼がずっと使っている手法っていうのは、
どっちかというと有事のコミュニケーション力学で、
当事者意識を示すっていうことで、
結構やってるんですね。
それが当たってるところがあって、
主張ってのはあんまりしてないんですよ、今回の選挙で。
ほとんどね、当事者意識で、
自分が悪かった、自分がそういうことがあったかもしれない、
申し訳ないとか、
全部ね、当事者意識の発信。クライシスの発信なんですよ。
それが効いてたんだけども、
これからそれをさらに百条委員会と第三者委員会で、
当事者意識を示せるかどうかっていうのが、
逆にチャンスになる可能性があるんですね。
ただ、百条委員会は欠席するんですよね、第1回目の。
知事会があるからって。
ちょっとここに逃げると、
彼自身ピンチをピンチにするにしますね。
15:02
田中 愼一
ここあたりが今後面白いですね、観察するには。
どういう対応を百条委員会や、
第三者調査に対して彼が取っていくのか。
それが当事者意識としてしっかり答弁し、
しっかりと原因を究明し、
等々っていうところで、
否を認める部分とか、認めない部分とかいろいろあるけど、
そこの態度遺憾によってまた世論が変わりますよね。
中川 浩孝
そうですよね。
田中 愼一
だからあれはね、疑問にもなるけど、
本当に斎藤さんにとってはチャンスにもなるんで。
だからそこを彼がどう判断するかっていうのは、
次の注目点かなって思いますね。
中川 浩孝
確かにそうですね。
知事にならなかったらね、このままきっと下火になって、
あまりニュースでもそんなにサポートされなくなって、
負けちゃうみたいな感じだったんだと思うんですけど、
知事になったことでまた注目されますし、
だからこそ本当ここで逆転して、ちゃんと謝って、
何か責任をちゃんと取るとか、
責任ってのは知事を辞めるとかじゃない意味で、
違う形で責任を取るのかもしれませんし、
そこで本当にちゃんとしてたんだなっていうところを見せれば、
むしろ評価が上がるっていう可能性はありますよね。
田中 愼一
あと多分、県庁の中での対応ですよね。
県庁職員に対してどういう、
ただこの前県庁に出たときに、かなり謝ってましたよね。
っていう表現があるから、
多分これから県庁内で職員の人たちに対して、
どういう対応が変わったというのと、
それから一方でやっぱり改革の旗は、
挙げておかなきゃいけないと思うんですね。
だからその2つを同時にやれるかどうかが面白いですね。
ピンチになるのかチャンスになるのか。
中川 浩孝
そういう意味でも本当にアドバイザーとかついてないんですかね。
高木 恵子
どうなんだろう。
田中 愼一
わかんないけど、あれだけになるとアドバイザーもつかなくなっちゃうんじゃないんですかね。
だから多分、仲間ですよ。
中学・高校の仲間たちっていう言葉、あえて中学・高校って名をかまって言ってたから。
そこがやっぱり一つ一丸となって動いてくれたんじゃないですか。
だからそういう人たちが、まずはSNSでどんどん出そうっていうことで出してって、
まあいろいろな仕掛けはしたと思うけども、
あの戦略的にあれを演出したとは思えないですね。
高木 恵子
確かにそうですよね。
田中 愼一
あれはある程度偶然の重なりっていうのもあったと思いますね。
で一つの現象が起こってしまった。
だから逆に言うと現象っていうのは作るっていうのは結構難しいんですね。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
だからその現象ができそうだったところをさらに強化するってことはできるかもしれないけど、
初めからゼロから現象を作ろうっていうのはかなり難しいんじゃないかと思いますけどね。
高木 恵子
なんか私たちって仕事柄、時々クライアントに言われますよね。
18:03
高木 恵子
いわゆるこういう現象を作れみたいなことを言われます。
言われるんですよ。
メディアの力を使って、こうやって現象を作って、自分たちの土俵に持っていきたいみたいなことを。
本当によく言われますけど、やっぱり難しいですよね。
意図的に作るっていうのは。
田中 愼一
あれはね、戦略PRって本があるんですけど、あれが火つけたんですよ。
あれがいわゆる、私の責任もあるんですけどね。
要するにコンシューマーの中に世論を作っちゃうっていう。
コンシューマーは一体何を見て世論として感じるのか、動き出すのかっていうとやっぱり事象なんですよ。
だからそういう現象ね。事象というか現象ね。
その現象をどう作っていくかっていうのが、まさにコミュニケーションの業界として固定になってる戦略PR。
PRに戦略をつけただけなんですけどね。
まったくね。あれは良かったのか悪かったのかわかりませんけど、今本当に現象を作れ現象を作れって言われるんですね。
高木 恵子
なんか企業の場合は逆に、斎藤さんのは個人の、特にこういったまた政治の領域になるけど、
企業の場合は実際に自分たちのやっぱり行い、企業だから物を売ってるとか物を作るとか、
企業が行っていることをまずちゃんと結果が出ればそれが一つはやっぱり事象になりますよね。
売れてるとか、この製品がなんかここでこんな風にすごい使われてこうなった、みたいな事象って実は企業だったら自分たちで作ろうと思ったら作れるんですよね。
田中 愼一
作れますね。重要なのはもちろんね、世の中の動きを流れっていうのは当然ながら察知しておかなきゃいけないんだけども、
基本的には企業の行い次第なんですよ。
要するに企業がちゃんと、今言われる専門用語になりますけど、ソートリーダーシップって言葉がね、流行り言葉って言ってたんですけど、
下手すと20年くらいね。
ソートリーダーシップっていうのは、いわゆる稼ぐだけじゃなくて社会貢献もするといったときに、
まさに社会貢献してるっていう行いをちゃんとやってるかどうか、企業が。
行いなんですね。だからそこの行いっていうものをちゃんとしっかりと表現していけば、
現象化する、事象化するっていうのは可能だと思います。
ただそれは、半年で作ってくれよとかね。
高木 恵子
そうそうそう、ありますよね。あるんですよ。本当、ヒロさんあるんですよ。
21:04
田中 愼一
あんな無茶ぶりされても、それはちょっとね、考えないといけません。
なんか広告宣伝モデルみたいに思われてさ、現象作ってくださいって。
だからちょっとそこあたりはよく言われる質問ですね。
高木 恵子
だから逆に余計こういうトランプさんとか斎藤さんの、
こういう動きを本当パブリックでこれだけ大々的にされちゃうと、
できるでしょって思われちゃうんですよね。逆に。
できるんじゃない?こういう現象だよ、これこれみたいな。
中川 浩孝
絶対にでもそれって、実際に社会の中にそういう空気感があって、
それを最後の一押しでてこの原理みたいなのを使って、さらに使う。
田中 愼一
間違いなく空気感がないとダメなんですよ。もう既に空気感がね。
だからやっぱり、空気を読むっていうかね。
まずは空気読む能力で、そこからどういう発想を持って、どういう表現をするのか。
こういうところの一番大事な空気を読むところをなしに、
現象っていうのを起こすっていうのは、これは不可能だと思います。
空気は嗅ぎ取ることが重要で。
だから大統領選というのは、空気を嗅ぎ取るためにかなり莫大な関係を使って調査するわけですよ。
つまり潜在意識ね。潜在意識の空気、流れ。
一体国民は今どこに一番困ってんのかとか、どこに不安を持ってんのかとか。
っていうところってのがやっぱり重要なんでしょうね。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
昔小泉さんと茶会をしたことがあるんですけど、小泉純一郎さん。
お茶会をしたときに、お茶会って何かって、信長の茶をやりましょうって言うんで。
信長大好き少年なんで。
そのときに俺にはわかると。
国民が俺に何を言ってほしいかわかるんだよって。
高木 恵子
かっこいい。
田中 愼一
空気を読む力はすごかったですね、政治家たちはね。
じゃなきゃ、今までそれまでみんな派閥の力学で動いてたのが、
派閥力学を、いわゆる世論の力学でぶっ潰しましたからね。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
あのときはやっぱり空気を読めないと、世の中の。
だからその中から自民党をぶっ壊すっていう言葉とかね。
抵抗勢力を叩くっていう言葉とか。
だからその当時、彼が総裁になったとき、自民党っていうのがどう思われてたのか、
どういう自民党に対して国民はどういう空気を持っていたのかってのを言って、
24:05
田中 愼一
あの過激な、普通ないですよね、自分の党を潰すなんてね。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
ああいう過激な発信してみんなの心を捉えちゃった。
あの人はやっぱり天才だなと僕は思います。
敵でしたけどね、選挙では。
だから、やっぱりそういうもんですかね、空気を読むってことですね。
高木 恵子
空気を読むんですね。
田中 愼一
空気を読むっていうのはよく議論あるんですけど、
相手がどういうメッセージを出してるかって読むことじゃなくて、
自分がどういうメッセージを出してしまってるのかっていうのを読むことが空気を読むってことね。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
つまり、自分がどう見られているのか、自分がどう期待されているのか、
自分がどういうメッセージを出してしまってるのか、
周りはどういうふうに自分から受け取ったメッセージを捉えてしまってるのか、
それが空気を読むんですよ、基本的に。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
それが読めると次の一手が考えられるわけですよ。
発想が生まれてくる。
じゃあ、そう見られてるんだったらやばいなと感じるか、
いい感じじゃん。こう見られてるんだったら次のステップに行こうとかね。
やばいって見られてたらこれ何とか修正しなきゃいけないな、
じゃあどういうことを発信すればいいのかなとかね。
そういう次に繋がるんですよ。
中川 浩孝
それ今のめちゃめちゃグッドポイントだなと思うのは、
全く知られていないのではなくて、
むしろ悪い方がそれを後から変えることが可能だっていうのが面白いですよね。
知られてない方が問題なわけじゃないですか。
まず知ってもらわないといけない。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
だから逆に言うと悪いってことによって知られるわけですよ。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
これ斎藤さんのケースが当てはまりますよね。
高木 恵子
確かにね。
中川 浩孝
そうですよね。
田中 愼一
だから空気を読むっていうのは本当に、
企業にとっても国にとってもそうだけど、
我々個人にとってもね、
空気を読むっていうのは自分の生き方に大きく影響されるわけですよね。
だって行いがそれで変わるわけでしょ。
高木 恵子
でもまさに今ヒロさん言ったみたいに、
じゃあ全然知られてない人たちがどうやらなきゃいけないかっていう方が逆に難しいですよね。
田中 愼一
難しいですけどね。
もし仮説中の仮説で、
斎藤さんがこれを全て戦略的にこなしてきたという前提に立つと、
意味づけはできますよね。
例えば彼の問題発言っていうか、
なんか対応っていうのは、
わざとね、つけるのを言ってる感じで、
かなり全国世論からするとね、
なんだこいつって話で、
あそこにも敵に回ったっていうこともあって。
27:01
高木 恵子
そうか。
田中 愼一
だから、彼がもしそれを考えているのであれば、
たぶんこれをやることによって失職させて、
失職から再起戦っていう。
高木 恵子
ここまでのシナリオ全部ね。
田中 愼一
たぶんコンサルだったらそういうふうに書くんですよ。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
それで本一冊書いちゃうんですね。
高木 恵子
そうか。
田中 愼一
それで彼は動いたと。
6ヶ月の我慢であったというね。
それによって彼は全国区の名前を得たと。
で、いよいよこっから勝負をかけるっていう形で、
失職っていうね、いわゆる道を選んで再チャレンジなんだと。
まさにそこの背景にあるストーリーは、
しっかりと抵抗勢力、既存勢力、改革をするために頑張った俺は。
ところが議会からクビにされたと。
これで俺は負けないと。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
まず1人の、駅前での1人の演説っていうとこから始まる斎藤ストーリーって、
これは、ってね、本に書けますよ。
誰かたぶん本書くと思うよ、俺。
中川 浩孝
最終的にそれがね、何か良くしようとかこういうことを達成しようっていうのが、
良い方向に動くことだったら、グッドインテションだったらいいんですけど、
最終的には嫌な方向だったら本当に嫌ですよね。
そこがちょっと気になる。
何が最終的にやりたいのかっていうのは気になりますよね。
田中 愼一
確かに。
当然だからね。
でもたぶんそこであげるのはやっぱり、
彼があげるのは改革の旗なんですよ。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
改革の旗1本。
それだけはね、彼はずっと一貫してるんですよ。
中川 浩孝
そうですね。
確かに確かに。
田中 愼一
そこは一貫してないとダメで、鍵で。
高木 恵子
でも、兵庫県自体が改革をしなければいけない自治体なんですかね。
って、だんだんそういうふうに思ってきますよね。
田中 愼一
まあね、具体的な台所事例はよくわかりませんが、
嘘800なんだろうけど、フェイクニュースとして、
敵側の稲村候補は、何千億を使って庁舎をきれいにするとか言う。
あれ結局流れたときは、僕本当にそんなバカなこと言ったのかなと思ったんだけど。
あれもフェイクだったような話に聞いてるんで。
そこに反論ができなかったんでしょうね、稲村さん。
ポシャってたからですよね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
だからああいうのはフェイクニュースがどんどんどんどん流れていくと、
逆に今回フェイクをどんどんやった首謀者っているのかどうか。
高木 恵子
確かに。
いるのかもしれませんよね。
田中 愼一
なんか面白半分でやってるのか、あるいはこれは意図としてやってるのか。
30:00
田中 愼一
そこあたりってちょっとかんぐりませんかね、警察も。
だって稲村候補自身が訴訟問題にするから。
中川 浩孝
そうですね。
でもやったところで選挙の結果は覆るのかって気がしますよね。
それ言ったらだってトランプさんがいろいろ言ってたことって、
全然フェイクニュースみたいなことも平気で言ってたわけだから。
移民が犬とか猫とか食べてるとかわからないこと言ってたわけですから。
高木 恵子
そうですよね。
中川 浩孝
もうなんて言うんですか、笑っちゃうレベルの話じゃないですか。
高木 恵子
そう、確かに。
彼のがすごかった。
中川 浩孝
あれが嘘だから選挙結果なしってわけでは絶対いかないわけであって、
たぶん兵庫県知事だってそうだと思うんですよね。
それが嘘だったから。
じゃあ選挙はやり直しってなるかって言ったらたぶん。
田中 愼一
ある意味選挙って短期間でやるでしょ、特に今回は。
そうするとフェイクニュースを確認する暇なんてないんだよ。
中川 浩孝
そうですよね、もちろん。
田中 愼一
だからそうなるとこれからの選挙って怖いのは、
特に今回みたいな短期戦で怖いのは、
SNSが急激に動き出してこうなっちゃうってことが証明されちゃったんで。
だから嘘か本当かっていう判断じゃないんですよ。
基本的にはイメージっていうかね、それでもう決めちゃうっていう。
だって確認のしようがないんだもん。
そうなるともうフェイクギリギリの話がボンボン出てきて、
その中で選挙民は投票しなきゃいけないっていう、
ある意味民主主義のひとつの脅威になってくるっていうことはあるでしょうね。
だから今後事実確認っていうのが短期間じゃできない。
物理的にも技術的にもできないっていう状況の中で、
そういう組織をあえて作るか、中立的な組織で、
これはフェイクニュース、これは事実、そんなバカな話もないし、
それを担うマスコミが本当にできるのかっていうと、
マスコミでさえも、今回はドタバタしてるわけですから、
これからの特に県レベルでの選挙、知事選、
ここあたりっていうのは結構怖いものがありますね。
大統領選と同じだから知事選は、仕組みとしては。
中川 浩孝
直接ですからね。
高木 恵子
なんか意外と勉強になるな。
中川 浩孝
誰を信じていいのかっていうのは、時代によってちょっと違ってきますね。
マスコミが最初、マスコミしかそういう事実というか、
調査機関としても働いていなかったし、
マスコミが正義みたいな感じで昔はあったけれど、
それにやっぱりみんな辟易というか、それに対して全然信用ができなくなって、
SNSの民主というか民の声の方が正しいとなって、
やっぱりでもそれも嘘を流すメディアになり下がってしまったんだとしたら、
私たちは一体何を本当に信じればいいのか。
高木 恵子
そうなんですよ。本当そこですよね。だから。
中川 浩孝
わからんっていう感じですね。
33:00
高木 恵子
本当に何か、ますます考えるっていうか、やらなきゃいけない、
我々の仕事としてやらなきゃいけないことが、
新しい領域として出てきそうな気がする。
田中 愼一
これから出てきますね。
どうやって事実確認をせずに投票するっていうことが、
当たり前になってきちゃうと、
多分いろんなことを考えるやつが出てきて、
本当らしさを求めるとかね。
フェイクなんだけど本当らしさを求めるとか、
技術的にも映像を作ることができる。
だからありとあらゆる方法で言いたい放題言ってくる。
そうすると、混乱させる中で、
今回のトランプもそうでしょうけど、
やっぱりアメリカの深刻さっていう、
この前みんなで議論しましたけど、
深刻さっていうのが、もう嘘を言っててもいいよ。
何か起こしてくれるね。想定外のやついねえかって言うんで、
トランプ選ばれたような感じは僕はしてるんで。
だから理屈とか事実とかよりも、
特に事態が深刻であればあるほど、
どっちでもいいから、嘘を言ってもいいから、
動いてくれるやつに投票するっていう行動は、
これからどんどんもっと強くなってくるかもしれない。
高木 恵子
そうですよね。
中川 浩孝
いつも田中さんが言ってる嘘でもいいからが、
よくない意味で。
よくない意味で使われてますね。
高木 恵子
でもだからまた独裁者がすごいっていう風潮にならないでほしいですよね。
中川 浩孝
それですよね。
高木 恵子
そこですよね。確かに独裁。
田中 愼一
独裁者って大体あれなんですよ。ワーワーワーって言う
ヒトラーもそうだし、
全ての独裁者がそうじゃないですか。プーチンも含めて。
沈黙の独裁者っていうのは習近平だろうと思うけど。
高木 恵子
確かにね。
田中 愼一
彼はあんまり言ってる雰囲気はないんですけど、
プーチンなんかベラベラ話してますよね。
高木 恵子
でもまあ物事が動くから、
だからいまだに存在感があるわけですよね。
消えることはないわけですもんね。
田中 愼一
ヒト動かすってことはできるんですよ。
で、トランプもヒト動かしちゃったわけですよ。
高木 恵子
本当なんか変な方向に世界が流れなければいいけど。
田中 愼一
でもコミュニケーションっていうのは諸刃なんで、
良く使おうと思えばすごく素晴らしい力だけど、
悪く使おうと思ったらこれはもう大変な世界に入ってきますから。
基本的にはコミュニケーションの目的はもう一つかなくて、
ヒトを動かすだけですから、
ヒトの動かし方っていろいろあるわけですよ。
特にコミュニケーションの世界っていうのは、
相手にどういうメッセージが伝われば、
相手はどう動くかっていう、
非常に単純明快な力学なんで、
36:00
田中 愼一
そのメッセージの何を伝えるか伝わるかによって、
動きががらっとみんな変わってくるわけですよね。
だから今回の斎藤知事の選挙も、
ある意味変なストーリーが伝わって、それで動いちゃったっていう。
変なストーリーっていうのは、
俺は改革しようとしてたら抵抗勢力にクビにされたというような、
ストーリーがね、事象がね。
そんなのが勝手に出来上がっちゃって、
それでみんな斎藤さんのほうに投票したっていう流れが動いちゃったわけですから。
だからメッセージをどう作っていくか、
それをどういう形で伝わるようにするかっていう工夫で、
人を動かすっていうのはいろいろな方法論があると思うんです。
これ武力・財力に比べると圧倒的に幅が広いから、
権力とかね、あと他の力。
ある意味、やばい力ですよ、コミュニケーションってのは。
だってよく言うけど、証拠残さないんですよね。
武力、財力、権力って必ず証拠が残るんですよ、行使したら。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
コミュニケーションって証拠が残らないから。
高木 恵子
そうですね。空気みたいなもんですもんね。
田中 愼一
空気みたいなもんですから。
高木 恵子
そうだ、証拠にそうですよね。
田中 愼一
だから非常に事実認定っていうのがね。
だってインテリジェンスの世界はもうひどいじゃないですか。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
だから世界の情報機関なんていうのは結構悪いことしてますよね、みんなね、と想像します。
具体的に知らないけど。
高木 恵子
なんかでも世界が混沌になればなるほど、私はわりと夢見る少女なんで、
こういう時だからこそまた新たなヒーローが出てくるような気がするんですよね。
田中 愼一
まあね、ただヒーローも悪いヒーローも出てきますからね。
高木 恵子
なんかでもやっぱり時代時代で絶対なんかちゃんとこうね、出てきてるから、
地球ってこう繋がってるっていうか、生き続いてる人間がね、地球で生き続いてるような気がするから。
もっとこうやばいやばいってなった時にきっとポンとヒーローが出てくるんじゃないかなって願いたい。
田中 愼一
でもね、それが悪いかいいかっていう、いいヒーローが出てきてほしいですよね。
だって今までの独裁者見てるとみんなある意味悪いヒーローに近くて。
歴史的にいいヒーローって例えばどなたイメージします?
高木 恵子
あー、まあいいヒーロー。
でも私が生きてきた時代って別にそんなに苦しい時代じゃなかったと思うから。
田中 愼一
でも結構日本の場合はヒーローっていうか、一人のヒーローというよりも、
39:02
田中 愼一
なんか集団的にこうみんなが頑張って作り上げてきたっていうようなイメージですか?
高木 恵子
そうですね。だってやっぱり戦争も経験してないし、いろいろ経済が落ち込むって言ったってそんな本当のところで苦しいでもいないし、
だから自分が生きてる時代って、実はそこまで他国と比べるとひどい状況ではないから、
あんまり苦しいとかヒーローが必要とか思わないけど、これからもっともっと。
田中 愼一
多分でもヒーローが必要と思わないことが幸せだってこともあります。
高木 恵子
そうそうそう。そうなんですよ。
本当に別にトランプさんを悪く言うつもりはないけど、全くわかんないですもんね、世界がどうなるか。
それが日本にどう降りかかってくるかで、自分の今までの幸せと思ってた日々がなくなるかも。
中川 浩孝
普段の生活に対して不満が多い人がやっぱりいたからこそのヒーローなんですよね、トランプは。
だからやっぱり不満がすごく募ってたんだと思うんですよね。
日本にそういう不満が募っているのかどうか。
けいこさんとか私くらいの年代の人たちは多分それなりにいい状態のところを生きてきたので、そんなに不満がない。
もしかしたら今の若い人たちはものすごく不満が募ってるかもしれないし、
そういう意味で全然違うタイプのヒーローが出て、私たちがヒーローと思わないような人たちをヒーローとして認識するかもしれないというところがわからないですよね。
田中 愼一
まあね、歴史的にパッと見て、例えばね、ケネディとか、
ああいうオバマもそうかもしれないけど、大統領的なヒーローというとそういう人たちとか、
いろいろあるけども、結局彼らが大きなことをやったかっていうと、
政治的に確かにいろいろな表現というかイベントとかそういうことで目立ってたけど、
あんまりヒーローという感じではなかったような気がするんだよね。
例えばドイツのヒトラー、ナチス。あれは、たぶんさっきヒロさんが言ったように、現状に対する不満がすごく強かった。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
第一次世界大戦で負けて、莫大な賠償金が与えられて、いろいろ不平等条約を結ばされて、その不満のはけ口としてヒトラーが出てきたっていう。
だから歴史的にヒーローという人たちっていうのはどっちかというと悪い方が多いのかなっていうイメージで。
中川 浩孝
なるほどね。面白いですね。
42:01
田中 愼一
だから逆に言うとヒーローのいない日本っていうのが良かったんじゃないかな。
日本の歴史の中で独裁者って呼べるのはたぶん信長ぐらいね。
それはもう稀でしょ。
高木 恵子
独裁者なのか信長は。
田中 愼一
あれはかなり独裁者ですよね。独裁者っていうか、急激に物事を変えようとする人っていうのはやっぱり独裁者にならざるを得ないじゃないですか。
習近平もあれ急激に中国変えようとしてますよね。ずっとしてましたよね、この10年、20年。
で今のある意味絶対的だけどもっと絶対的になろうとしてるでしょ、あの人。
だからヒーローっていうのは一度議論すると面白いかもしれないですよね。
中川 浩孝
確かに確かに。
高木 恵子
はい、そうですね。
43:16

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