2023-08-26 40:58

#10 ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング PART ONE を見て

ミッション:インポッシブル最新作を見た 3 人の感想と、そこから何を感じたか、学んだか。(一般的に出ている情報以上のネタバレはしていないつもりですが、まだ見ていない方は念のためご注意ください。)

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一       
高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)       
中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

田中新一さんは、ミッション:インポッシブルの最新版について、トム・クルーズのアクションの見せ場が減り、彼の内面的な魅力が強調された表現に注目しています。また、トム・クルーズのアクションシーンに対するこだわりやスタントマンの不使用など、彼のメッセージ性の高さにも注目しました。『ミッション・インポストブル/デッド・レコニング PART ONE』は、AIと人間の感情の戦いや真実のコントロールに関するメッセージを含んだ映画であり、トム・クルーズの姿勢と現実への取り組みが強調されています。映画『ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング PART ONE』を見て、トム・クルーズの映画作りとその進化について考察します。ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング PART ONE を見た人は、ネットコミュニティやミッション・インポッサブルのファンにとって必見です。

トム・クルーズの新たな魅力
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
コミュニケーションの修羅場を人生のチャンスと思い込んでいる、愼一ですこと、シン・田中。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRに転職して、早四半世紀、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきた、アメリカ在住、中川浩孝です。
田中 愼一
今日は何と言ってもですね、恵子さんがミッション:インポッシブルの最新版を見てきていただいたので、
ヒロちゃんと僕はね、前見て感激してるんだけど、ここでやはり恵子さんから、客観的で冷静なポイントをちょっと言っていただくと、我々にとってもためになるかなと思います。
中川 浩孝
ちょっと一つ最初に、これネタバレ出てきますよね。きっと今日はね。
高木 恵子
そうですよね。このポドキャストを聞いている方で、まだ映画を見られていない方は、ちょっとあらすじがある程度わかるかな。
でも、そこまであらすじは言うつもりはないですけど。
田中 愼一
まあいいんじゃないですか。そこまであらすじまで言わなくても。
中川 浩孝
じゃあネタバレなしで逆にやるっていう風にすればね、他の人も。若干のストーリーのあれはわかるかもしれませんけど、ネタバレなしの方でじゃあ行きましょうか。
田中 愼一
はい、了解です。
高木 恵子
じゃあ、はい。
田中 愼一
いかがでした?
高木 恵子
ご依頼の通り、じゃあまず私の第一声を。
田中 愼一
はい、第一声よろしくお願いします。
高木 恵子
まず前提として、私そこまでのトム・クルーズビッグファンではないという、一映画ファンなので、いろいろいろんな方たちの映画を見て、とりあえずメジャーどころはいつも見てるみたいな、そういう立場で今回のトム・クルーズ、もちろんミッション・インポッシブルは全部見てるんですけど、
今回すごく私が感じたのは、トム・クルーズさんやっぱり60歳超えて、これからまだまだ彼はやりたいっていうところでの、結構今回すごくストーリーとか展開を監督さんと練って、できた映画だっていう前振りは聞いてたんで、どんな感じかなって風に見てたら、
まず、それがまさに、60後半70になってもこれから多分トムさんがミッション・インポッシブルをやれるような、ちょっとこう、映画の切り替えになったなっていうのをすごい感じたことが私はとってもすごいな。
中川 浩孝
あんなアクションすごいのに60歳超えても大丈夫ってことですか。
高木 恵子
いや、だってもっと、私の印象はもっと前の方がアクションすごかったっていうのが印象でした。今回は、もちろん彼の場合ってスタントほぼ入れないじゃないですか。CGもほぼ使わないし。だから今までの方がもっとすごかった印象が私あるんですよ。
今回はもちろん素晴らしいアクションあったと思うんですけど、例えば今までのアクションの見せ場が7割8割みたいなイメージが、私は今回6割ぐらいに減らして、後の4割ってもっとトムさんの人間味、
トムさんのアトラクティブなところをちょっと出してきてる感じをすごい受けて、そういう印象を受けました。
田中 愼一
どうぞどうぞ、例えば。
高木 恵子
だからそこがアクション、今までの体の体当たりのアクションの見せ場っていうよりも、もうちょっとトムさんの、だからもっと成熟した男性の色気とか、これからのもしかしたらアクション的なことがだんだん厳しくなってくるところを見据えてのもっと内面的な
なんかそういうアプローチの作り方の映画だったのかなっていうのをすごい感じます。だからかっこいいなと思いまして、今回あのアクションがすっごい前面に出てない割には逆にファンじゃない私としても、なんかトムさんかっこいいなっていう。
田中 愼一
そうか、なるほど。
トムの印象っていうことで言うと、確かにね、今までアクションオリエンテッドの部分があったんだけども、それに加えてトム自身あるいは一人一人出てきた人たちの表現がもっと多様になってるんですよね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
あのちょっと、なんて言うかな、例えば変な話だけど、あの黄色い車が出てきたでしょ。
高木 恵子
はいはいはい。
中川 浩孝
フィアットですね。
田中 愼一
フィアットのね、あの車ね。で、あれなんか今までとはちょっと違うわけですよ。
あの表現、今までのはオートバイであるとか、あのいわゆるこれぞ速いっていうようなものにですね、乗ってザーって行くんだけども、
あのそれもあったんだけども、それ以外に突然、しかも色は黄色のね、あの昔あの黄色のシビック持ってたんで、余計なのかもしれないけど、ボーンとこう出てきてね、
あれ自身、その乗った時の、えっとなんていうのかな、一つ一つのトムの顔とかね、他の人たちの表現っていうのがもっとね、あのプリシジョンっていうかプリサイス、より精密に表現されていたっていうのがあるし、
で、あれ2時間半ぐらいでしょ。あの長さって何で出てきたのかなって考えると、実は表現にすごい工夫してるんですよね。
だから、あのまず表現に工夫したってことは、確かに時間がそっちの方に取られるっていうのと、
それから2つ目はですね、長く見ていても表現が豊かだから飽きないっていうのもあるわけですね。
だからそういう意味でね、非常にあの、今けいこさんから聞いたのがちょっと今パッと聞いてね、確かに僕が何が一番あれ面白かったかなっていうと、
一つ一つのアクションだけ見せるんじゃなくて、アクションと同時に一つ一つ細かなミクロの表現っていうのがものすごくね、
だから僕2回目見る時はそっちの表現をもう少し見たかったんだけど、残念ながら見られなかったんですけども、
多分そうやってあの映画見ると、ものすごく今までのミッション・インポッシブルとはまるっきり違った表現形態になってるっていう、
多様な表現、目つきとか、笑いとか、お互い見合うとか、それから、本当にね細かい、本当に少しの表現、
トム・クルーズのアクションへのこだわり
田中 愼一
あのぐるぐるーって車に乗って回転した時の表現、顔とか、驚いた時の顔とか、そういうのが非常に豊かで、
一つその流れにあったのが、なんだっけ、えっと、なんだっけ、あれ、忘れてた、あの映画、インディアナ・ジョーンズ。
インディアナ・ジョーンズの表現もね、非常にね、アクションだけじゃないんですよ。
アクションに非常に個々の彼の表現が描写されて困った時の顔とか、あれが非常にクリアになって、あれと共通するなと思ったんだけど、
その要素が今回、今までのミッション・インポッサブルからすると圧倒的に多かったですね。
田中 愼一
すごく面白かった、それは。
だから多分その表現の多様性っていうのが、えっと、実にその細かなね、あれがうまく組み込まれてるなっていう工夫がされてるっていうのはちょっと感じましたね。
中川 浩孝
面白いですね。私はでもちょっとね、実は恵子さんとは全く逆で、私は今回アクションにさらにまた磨きかけてきたなって思っていて、
その最後の方のシーンですけど、もう事前にも公開されてるので有名なので言っちゃいますけど、
あの壁、壁じゃない、崖をバイクでひゅーっと押して、上から落ちてパラシュートを開くっていう。
あのシーンって最初に撮ってるんですよね。一番最初に今回。
で、それはもしかしたらこれで死んじゃうかもしれないからっていうことだったんですよね。
で、前回フォールアウトの時に実は骨折してるんですよね、トム・クルーズ。
田中 愼一
そう、骨折してますね。
中川 浩孝
それで止まっちゃったんですよね、結構撮影が。
なので今回はもしものことを考えて、一番ヤバいシーンを最初に撮ろうっていうことになって、一番危ないシーンを撮ったと。
で、もしもの時はその後撮れなくなっちゃうかもしれませんけれども、っていうことになったっていうのを聞いたときに、
いやこの人はやっぱり自分がやろうとしているアクションを何が何でもやってやろうっていうのがすごいあるんだなっていうのが一つと、
もう一つ今回思ったのが、途中もフィアットのシーンもそうですけど、あそこは手錠をかけたまま運転、2人が手錠をかけた状態で運転してる。
あれも実際やってるっていうふうに聞いているので、
自分で何でもやる変態ぶりがですね、完全に前編に渡っているという感じっていうのは私はすごく感じて、
で、実はこれでちょっと気になったというか、今回その第1作に出ている人が出ているということで、
でも全然自分の中では忘れていたので、1作目からずっと全部復習したんですよ。
高木 恵子
おー、素晴らしい。
中川 浩孝
で、もちろんトム・クルーズすごい最初若かったなとか、すごいそういうのもあるし、
でもやっぱりアクションとかもちろんあったんですけど、やっぱりね、回を重ねるごとに異常性がというかですね、
彼の変態っぷりが悪化してるなっていうのをやっぱりすごい強く感じたのはありますね。
田中 愼一
なるほどね。そこあたりっていうのは確かにあるんですが、やはり彼がスタントマンを使わないっていうことが逆にルフされてるでしょ。
田中 愼一
そうですね。
田中 愼一
それが映像的にはスタントマンがやってもあれもわかんないと思うんだけども、
見てる方がこれは実際本人がやってるんだって思ってみるのと、そうでないのとではもう圧倒的にメッセージ性が違いますよね。
田中 愼一
全然違いますね。
田中 愼一
だから、はっきり言ってスタントマン使わないよっていうのはものすごくね、これ意図的にしてるのか言ってるのか言ってないのかわかんないけども、
トム・クルーズの表現やメッセージ性
田中 愼一
ものすごいですね、効果、要するに映画をどう、どれだけメッセージ性の高い映画を作るかっていったときの基本的なすごく大きな要素になってるんじゃないかと思います。
だからこそ、変態ぶりっていうかね、命がけって僕は言うけど、命がけにこうやっている、どっちかというとすごい思い込みでね、やっている姿っていうのはやっぱりある程度メッセージ性が非常に高いなと思います。
中川 浩孝
あれですもんね、日本でも多分そうだと思うんですけど、映画の前に最初にトムが出てきて、私たちが一生懸命作った映画です、皆さん楽しんでくださいみたいなのを言うっていうのも、
なんかすごい、ちょっとしらける人いるかなとは思うんですけど、なんかやっぱり映画館に、彼はやっぱり映画館に来てくれるっていうこと自体をすごくファンに対して感謝の気持ちがすごくあると思うので、
なんかやっぱり今ね、テレビで映画を見る人がどんどん増えている、仕方に来ないっていうのが増えているという中で、やっぱり映画館に見に来てくれる人のサービス精神というのがすごい溢れている感じはありますよね。
田中 愼一
ありますね、本当。マーベリックの時もそうだったけども。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
あれはとにかく劇場に行ったらそのすごさがわかるっていう作りになってるんだよ、映画自身が。
音響とか音楽とか、どのシーンから始めるのかとかいうのは突然ダーッとこう来るね。
ああいうのはやっぱり明らかに劇場で見てほしいっていうのを前提にして作られてます。
中川 浩孝
そうですね。
高木 恵子
あとその今田中さんが今回メッセージ性っておっしゃったんで、私も今なんかこうまたさらに思い返すと、今回ね、やっぱりAIっていうちょっとこう今のあの
AIと人間の感情の戦い
高木 恵子
自制的なトピックを使ってた、ちょっとあらすじに入っちゃいますけど、っていうところと、そのやっぱり表現力、その結局AIと人間の感情のちょっと戦いっていうのも私ストーリーで感じて、結局その最後、やっぱり人間同士の感情でそのAIの作戦の裏をまとめて、
作戦の裏をまた描いていくみたいな感じでストーリーが展開していったじゃないですか。だから結局はなんか今のところまだAIよりも人間の方がちゃんと主導権が取れるんだよって、そのAIにはやっぱ感情がないから人間の強さってそのだから感情、
相手に対する思いとか表現っていうそのものがまだ強いんだよっていうようななんかメッセージをちょっと私このストーリー、今お話ししてる中で振り返るとなんかそういうメッセージもあったのかななんてちょっと感じました。
中川 浩孝
それってでも今さっき言ったそのスタントマンを使わないで自分でやるっていうのと全く一緒なんですよね。それもだって今だったらコンピューターグラフィックスとかの技術でいくらでもできるのですけれども、それを使わないでやっぱり本人がやっていることによるこの力強さとかそこに生まれる説得力とかそういったところにやっぱり彼がこだわっているっていうのがすごくそのAIと戦いとなんかちょっと似てるなとか意味的に思いましたね私。
田中 愼一
スタントマンね、なるほど。ある意味スタントマンをあえて使わないっていうところとAIを使わないっていうかそこに依存しないっていうのは共通項としてはあると思うし、逆にこれ見てるとその彼の映画作りの発想っていうのがなんていうのが徹底的にその現場主義っていうかね。
つまり現物、現実にこう、自ら接することによって映画作りをしている。スタントマンを使わないってまさにそうですよね。自分自身がもう映画の主人公になりきって実際に命かけてやってるわけでしょ。
だからそれっていうのはものすごいメッセージ性があって、だからその表現としてやっぱりあの映画が確立されてるのはそのトム・クルーズの姿勢ですよね。あの映画を作っていく上での姿勢で絶えず自分を現場の最先端、はっきり言うと監督とか他の人たちが作っているよりも自分が唯一一番目の前に接してるわけですよ、現実に。
で、その中で命かけてやってるっていうのはやっぱり強烈なメッセージを出しますよね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
あれ見てて、AIの可能性ってのは確かにあるんだけど、AIには身体がないですよね。だからなんていうのかな、人間は身体を持ってるわけですよね。だからある意味で言うと、人間の場合は身体だけじゃなくて心と身体の身、両方合わせてあるから、
AIがその2つを持ち始めたら、これは確かに第二人類になると思うけど、本当にそういうことができるのかどうかっていうのは、あの映画を見てると、いやいやそういうことはそうじゃないって、やっぱり人間は身体張るっていうのがね、基本的には一番基本なんだよなっていうのは、今ちょっとけいこさんとひろちゃんの話を聞いて、なんとなく腹落ちしましたけどね。
あとやっぱり怖いのはあれですよね、あそこで書いてある言葉、誰が言った言葉か忘れたんですけど、コントロール・ザ・トゥルースっていう。
つまりトゥルース、真実をコントロールするっていう。で、実はこれ結構すごく重要な話で、何が真実かっていう哲学論争に入っちゃうんだけども、基本的にコミュニケーションの視点から見てると、言葉でよく言われるのがパーセプション・イズ・リアリティっていう風に。
要するに、真実があるないじゃなく、それを真実と思い込んだら、それがその人にとっての真実になっちゃう。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
こういう世界にわれわれ生きてるわけで、そのときに真実って何かって言ったときに、コントロール・ザ・トゥルースっていう言葉っていうのはかなり意味深な話で、やっぱり真実ってのは何かっていうのが、ある意味で言うと、今世界人口って何億いるんですか?8億?10億?
高木 恵子
もっといる。8億超えてますよね、確か。
中川 浩孝
80億くらいじゃないですか?
田中 愼一
下手すると真実って8億個あるってことですよ。人によって。
中川 浩孝
80ですよ、80。
田中 愼一
80、80億。
中川 浩孝
だって、中国だけで10億人くらい。
田中 愼一
あ、そうか。80億か。
高木 恵子
80億か、うわぁ。
トム・クルーズの姿勢と現実への取り組み
田中 愼一
極端に言うと、80億人がですね、それぞれの真実を見てるわけですよ。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
だから、なんていうのかな、それをコントロールするっていうことっていうのは、実は非常にですね、気をつけなきゃいけない話で。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
だから、AIっていうのはあれ、実際見てると、いろんなデジタルを通じて、真実はこれ、つまり誰々が今ここにいるよっていうようなことを、逆にコントロールするわけですよね。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
だから、そういうのが結構、なんていうか、この映画っていうのが、ある程度そういう世界に入っていく、コントロール・ザ・トルースっていう事実がだんだん目の前に現れてきたんだよっていう、
ある意味の警鐘として考えるべきなんだろうなって思いますけどね。
中川 浩孝
うん。そういう意味では、いろいろタイムリーですね。
田中 愼一
だから、非常にタイムリーだから、彼のあの映画のすごさっていうのは、彼の思いっていう発想がまずすごいっていうのと、絶えず最前線に自分を置くっていう姿勢、それが非常にアピールだったってことと、
ただそれだけじゃなくて、その中にはアクションだけじゃなく、あらゆる細かい表現っていうものを駆使して作られていて、さらには社会への継承っていう、つまり先取りしている今の社会の流れ、そういうものが要素が入っているから、結構オール世代から見てもあれは面白い映画になるんじゃないかなって気がしますよ。
中川 浩孝
うん。確かにそうですね。
田中 愼一
若い世代も年寄りもね、で、さっきけいこさんが言った60歳超えての発想の違いっていうかね、たぶんね、間違いなくそれあると思うんですね。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
あの、アメリカが60っていう数字がどういう意味を持つのか知らないけど、日本では60っていう意味は大きくて、
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
昔から言われたように55、60、で今は65っていうのが出てきてるんですよね。
で、55になると、あーそろそろライン定年かって大きな企業の人たちが。
で、60になると、あーもうこれ退院、定年だな、延長、あと5年できるけどどうしようかなっていう。
中川 浩孝
嘱託として働く。
田中 愼一
職宅として働くかって。で、65になるともう、じゃあ65はもう完全定年ということで。
で、この55、60、65っていう数字結構ね、これいずれ皆さんね、経験することなんだろうけども、
あの、そこっていうのは人間の心が揺れ動くんですね。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
で、55はまだね、まああと5年あるからまあいいや、ラインから降りてもまあ気楽にできるぐらいでいいんだけど、
60になるとだんだん深刻になってきて、俺どうしようかなって話になって。
65になるともう開き直るかならないかが勝負になってきて。
っていうところにトン・クルーズが差し掛かって、それが映画作りの中に生きてるっていうのは非常にね、面白いと思いますね。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
で、それを彼は貫こうとしてるわけでしょ、自分の。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
だから多分、普通はですね、もうそこでもう道が2つに分かれるんですよ、60ぐらいで大体。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
もうこれからは引退モードに入るか、それとももう1回頑張るぞっていう。
で、そのもう1回頑張るぞっていうようなのが今回のミッション・インポッシブルにもあるし、それから前のマーベリック。
中川 浩孝
トップガンマーベリックがまさにそれですよね。
田中 愼一
そう、マーベリックなんかもうまさにその代表格なんですよね。
中川 浩孝
そうですよね。だからおじさんたちがやっぱりなんか共感する。
田中 愼一
共感しちゃってんのね。でも今回のミッション・インポッシブルっていうのは、これからも頑張るぞだけの要素じゃなくて。
高木 恵子
うんうん、そうですね。
田中 愼一
それにね、社会への継承という要素とか、それからすごいきめ細かな表現っていうんですか。
より一人一人の役者さんの顔の表現にフォーカスを当てて、それとあのグレートアクションをですね。
しかもそのグレートアクションは本人がやってるわけで、ここあたりの凄みっていうのは多分ね、マーベリック以上にすごいんだと思いますよ。
だからこそあらゆる世代にある程度それぞれアピールするっていうか。
中川 浩孝
そうですね。一つ私さっき言おうと思ったことは、皆さんご存知かもしれないですけど、ミッション・インポッシブルの物語の作り方って、先にこういうアクションがやりたいっていうのがあって、結構ストーリーは後で決めていくっていうのってご存知でした?
高木 恵子
知らなかったです。
中川 浩孝
そうなんですよ。なので私そこがすごいなと思っていて、ちゃんとした最初にガッチリした台本があるわけではなくて、こういうアクションがあるっていうのがあって、それに対して多分、映画って何年もかかるわけじゃないですか、作っていく中で。
なのでその中で、多分一番その時代に合っているとか、一番これが皆さんが共感、みんなの共感が得られそうだなとか、多分そういういろんな発想が現場で生まれていくんじゃないかと思うんですよね。だからそれが私すごいなと思っていて、さっき出ていた今の時代にすごく合っているっていうのは、もしかしたらそういうストーリーの作り方でもしかしたら出てきているのかなって思ったりするんですよね。
田中 愼一
あのね、それすごく面白い。何が面白いかというと、僕台本なしでやったのが僕は正解だと思うんですね。いや、はっきり言って、イメージは先行しなきゃいけないんですね。で、イメージって言ったら映像なんですよ、これ。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
台本というのは文字なんですよ。だから、で、もともと台本なんてのもイメージから来てるわけですよ。で、実際このシーンをとか、このシーンをって、より具体的にイメージ化するところから、これをやろうぜ、そっからストーリー作ろうぜっていう方が、僕ね、正当派だと思うんですね。
なぜというかっていうと、基本的にですね、今、企業の世界では、ナラティブが必要だ、ナラティブが必要だって言われてるわけですよ。で、基本的にはどういう作り方をするかっていうとですね、まず中期計画っていうのを作って、そこからナラティブを作っていくっていう発想なんですけども、
田中 愼一
もう一つの作り方っていうのは、まず何が今世の中に求められているかっていう、そこをベースにどういうことをやったらびっくりさせることができるか、工場もう一本作った方が面白いかもしれないとかね、いやいや、この商品、こういう商品を出してみたほうがいいとか、だいたいね、そっちの流れもあるんですよ。
トム・クルーズのアクション映画
田中 愼一
だから、企業がストーリーを作る時っていうのは2つの流れがあって、1つはビジネスの流れと、ビジネス戦略を積み上げていくだけの話なんだけど、もう一つは、これをやったらびっくりするだろうな、世界がとか、これをやったら実現したら何とかだろうなっていう、それがまさに今言った台本なしか台本ありでやるかっていうのと、なんか僕の中では交差してて、今の話聞いてて。
だから、やっぱり台本なしに全て作るとは言いませんけども、やっぱり台本なしの部分と、それから台本ありの部分というのが並走する作り方っていうんですか、こういうのが多分これからもっともっと重要になってくるんじゃないかなと。
中川 浩孝
そうですね。企業にもそうなんでしょうね。きっと必要になってくるんでしょうね。前にも話したように中長期計画みたいなのがあったとしても、やっぱり世界どんどん変わっちゃうので、どれくらいその場その場で方向性をちょっとずつ変えられるかっていうのは、これからのやっぱり力の見せ所ですよね。
田中 愼一
だから中計って一番ダメなのは中期計画っていうのは、自分自身で物事を考えちゃうんですよ。そうじゃなくて、周りがこれからどうなるのか、どうなるとこんなことしたら周りが納得してくれるな、じゃあこういうふうにしたら逆に今度共感得られるなという発想から中期計画を作っていくっていうのが重要で。
僕の経験から言うと、本壇で7年アメリカにいましたけど、あの時世論を味方につけるっていうことで紛争したんです。いろんなところで頑張ったんですけども、あの時はやっぱり事業計画っていうものを自己視点で作るというよりも、アメリカ人これやったら驚くよなとか、
こういう車出したら絶対社会が驚くよなとか、とにかくまだ他の自動車メーカーがやってないことをこれやったら絶対受けるよなとか、そういう視点がものすごくあったんですよ。
中川 浩孝
それはトムのアクションですよね。崖から飛び降りてパラシュート開いたらすごいんじゃないかとか。手錠をかけたまま車で走ったら面白いんじゃないかとか、そういう話ですよね。
田中 愼一
究極なのはそれをスタントマンでやっちゃつまんないわけですよ。自分がやるからこれ面白いんじゃないっていう。だからそのぐらいのトム・クルーズを今の世の経営者たちは見習ってほしいですね。
自らスタントマンを使わずにですね、体張ってこれやったらみんな受けるぜっていうノリでね、やってもらうのが。
中川 浩孝
それはいい比較ですね、確かにね。
高木 恵子
そこがすごく見えた気がするんですよね。
田中 愼一
それは多分僕もそうなんですね。なぜトム・クルーズにあまり今までは好きじゃなかったわけで、今回好きというよりも関心が非常に高まったのは、一本筋があるんですよ、彼には。
すべての行動、言動、行い、映画の作り方、すべて一本線が入ってるんですよ。これが自分の使命感なのか、自分の思いなのかわかりませんけど、少なくとも彼から感じるのは一貫したメッセージというか、一筋の一貫したものなんですね。
で、やっぱりそれがあるからこの映画が非常に魅力的になってるんで、これは当然世の経営者たちもですね、アクションだけでね、体張るだけっていうのも、まあそれものすごく重要なんだけども、やっぱりそこに一本通った線が入ってないと、
たとえ体を張ったとしても、単なるアクションもんで終わっちゃう可能性があるんですけど。
中川 浩孝
確かにそうですね。
田中 愼一
そこに体を張ると同時に、その体の張り方に一本筋が通ってるんですよ。だからその一本の筋は何なんだっていうのをやっぱり我々としてはね、やっぱり探っていくってすごく重要なんじゃないかなと、自分たちのいわゆる人生という映画があるわけですよね。
高木 恵子
あらすてき、そうですね。
田中 愼一
われわれの人生って映画みたいなもんじゃないですか。だからトム・クルーズの映画を見る、ミッション・インポッシブルを見ると、自分の映画、人生という自分の映画をどう作っていくのかなっていうヒントがたくさん出てると思うんですよね。
高木 恵子
あ、そうですね。それはなんか私も感じました。
田中 愼一
多分トム・クルーズの表情とかああいうのっていうのも、我々の日常生活の中でも活かせるヒントなんですよ。
あえて驚いてみるとかね、おどけてみるとかね、とかいうようなレベルのヒントもあれば、
トム・クルーズの真摯な姿勢
田中 愼一
なるほどな、こういうやっぱり表情をすることっていうのがやっぱり共感を生むんだなとか、この人がこういうふうな困った表情をするから余計こうなるんだなとか、自分の表現にも活かせるし、
相手の表現を評価する能力にもつながるわけですよ。
だからそういう意味で自分の映画である人生っていうものをやっぱりこうどう描いていくかどうやっていくか。
基本的には人生っていうのには台本っていうのはもちろん必要だけども、台本ないんですよ、基本はね。
そうするとやっぱりさっき言った台本なしに、じゃあどうすれば周りは評価してくれるのか、どうすればびっくりさせられるのかとか、
そういうところから始まって、徐々に台本らしきものを作っていく。
高木 恵子
うんうん。
田中 愼一
っていう、そのプロセスを引いていくと徐々に自分なりのその筋っていうか、
生きていく上での一つの筋がこう見えてくんじゃないかなって。だから台本が徐々に徐々にこう進化していく感じ。
高木 恵子
うん。
田中 愼一
そんな感じでこの映画見ると面白いかもしれないですね。
中川 浩孝
確かに。そうですね。
田中 愼一
これはね結構深読みできる映画ですね。
中川 浩孝
そういう意味では一作目から見直したっていう話をしたじゃないですか。やっぱりね、ストーリーもちろん監督が違うとかもちろんあるんですけど、
最初と全然違うものになってるんですよね。
田中 愼一
なるほどね。
中川 浩孝
最初の頃はちょっと007的なというか、どっちも使い物なのでしょうがないんですけれど、
ちょっと女性とか恋愛的なものが入ってきてるんですよね、結構。
でもやっぱり時代とともに男と女みたいなところではなくて、女性がもう別に単純にヒロイン的なものとして出てくるんじゃなくて、
完全に映画の中の一プレイヤーとしてというか、一アクターとして出てくるっていう風にどんどん変わっていて、やっぱり世界が変わっているので、
男とそれを守られる女性みたいな感じではなくて、あるいは恋愛の対象としての女性じゃなくて、
完全に今回とかもう対等に渡り合うスリとして出てくるわけじゃないですか。
ああいうところもすごい面白いなと思って、そこがやっぱり最初の一作目はもう本当に随分前の話になっちゃいますけど、20年とか前ですけど、
やっぱりそこで全然世界が変わったので、やっぱり作り方、ストーリーの展開も全然違うっていうところが、改めて前作もう一回見直してみて改めて感じましたね。
田中 愼一
確かにね。でもまさにそれはある意味、さっき社会の継承という要素もこの映画にはあったっていうのと同じように、よく社会を見てますよね、社会の動きを。
それに合わせてやっぱり進化させてるってことは間違いないと思うんですね、映画が。そこがまたやっぱり面白いと思うし、だからそういう意味で言うと、この映画次どうなるのか、今後どうなってるのか、なぜパート1っていう風に位置づけたのか、ここあたりがですね、やっぱり次の進化モデルは何なのかとかね、ちょっとやっぱり興味湧きますよね。
トム・クルーズと60代の進化
中川 浩孝
そうですね。まだ1年あるんですよ、また。
田中 愼一
どうなんだろう。パート1、パート2っていうのはわかりませんよ。読み方によってはもうこれでおしまいにするっていう。でもさっき恵子さんが言ったように、いや俺はこれでいくぞっていう、80になってもスタントマンなしでできる映画を作るとかね。
そこあたりはどうなんですかね。さっきも言いました、60代の、60っていう、60歳っていうか60代って言ってもいいのかもしれないけども、50代と70代の狭間にいるわけですよ。僕60代だからわかるんだけど。
この歳って一番ね、孔子は何だっけ、四十にして惑わずでしたっけ。孔子の言葉で。でもね、僕から言わせると60こそ迷いまくる時代って感じで。往生際を決めなきゃいけないんですよ。往生際が悪い世代なんですよ、60代っていうのは。やってみてわかったけど。
高木 恵子
でもそれはやっぱり寿命自体がね、変わってきてるから昔。昔の人ってね、60、やっぱり育った環境が大きな影響であると思いますけど、だいたい60ぐらいで長生きしてた?みたいな感じだったわけだから。でも今ってもう本当、100年時代だから、60なんてまだまだだから、迷える途中ですよね、本当に。
田中 愼一
そう、だからもう本当に、昔だったら諦めがすぐ来るんですよ。諦められるっていう環境だったわけです。ところが今の60代っていうのは、これ50代後半もそうだけどある意味、諦められないっていう環境になっちゃってるわけ。これ結構苦しいですよ、今まで。
だから逆に言うと、そこに対してこの映画が結構アピーリングだなと思うのは、今後トム・クルーズがこの映画をどう進化させていくのか。どこで往生際よく諦めるのか。
中川 浩孝
それってでも引き際大切ですよね。インディー・ジョンズの話が出たので、やっぱり80歳のハリソン・フォード、もうちょっと前に作っててくれたらよかったのにってやっぱり思っちゃったりする。僕はインディー・ジョンズ大好き。
田中 愼一
あれは引き際間違えたですね。
中川 浩孝
やっぱり若い時のハリソン・フォードの格好良かったのを見ると、やっぱり今のを見ると悲しくなる部分もあって、今回は完全に卒業というかもう最後ですっていうのが完全に分かった状態でやってるので、あれですけれども。
そういう意味ではトム・クルーズというか、ミッション・インポッシブル・ファンとしては、もうできるうちにやっぱりなんかもっと頑張って、もっといっぱい撮ってくれないかなとか思ったりはしますよね、やっぱり。
田中 愼一
だから多分その次の作り方っていうのが非常にこれからすごく重要になるんじゃないかな。だから彼自身も迷える60代になってるんでね。
その中でどういう引き際を決めるのか、往生際をどうするのか、そこあたりっていうのがこれから彼の映画作りの中に反映されてくるから、そこが面白いですね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
これもうでもパート2は撮ってるでしょ。
中川 浩孝
撮ってます。
田中 愼一
ね、もう撮っちゃってますよね、ほとんどね。
中川 浩孝
で、ちょっと耳にしたのは、なんかパート1の一部をパート2をもう撮り始めてから、やっぱりちょっとパート1こっちの方が良かったねって変えてるんですよね。で、撮り直したんですって、その部分だけ。
なんで、それもすごいなと思って、やっぱりなんかこだわりがすごいとそこまで行くっていうか、だってね、また人集めてパート1のもう一回撮り直して、編集し直してるわけじゃないですか。
ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング PART ONE を見て
田中 愼一
だからそこがね、そのトム・クルーズの覚悟っていうかね、さっき言った一本筋が通ってるところで、これはまた繰り返してみますけど、世の経営者の人たちに見習ってほしいな。もう全員もうね、ミッション・インポッサブル、今回のミッション・インポッシブルはもう必読っていうんじゃない、なんていうんだ、必ず見ると。
中川 浩孝
必見です、必見。
田中 愼一
必見って言葉。で、レポート30枚。
書けっていうぐらいの覚悟を持ってもらう映画だと思うんで、そういうふうに見てほしいですね。
高木 恵子
ただあれですよね、でも感じるか感じないかって、だから感じる人は私たちみたいに会話が弾むかもしれないけど、感じない人もいるかもしれないじゃないですか。そこがそもそも論になっちゃいますよね。
中川 浩孝
そもそも論ですね。そういう意味では、ここから人生のことが考えられるかとか会社のことが考えられるかって、やっぱり人によってそういう能力があるかがないかっていうのはすごい分かりますよね。
田中 愼一
それはあるでしょうね。
中川 浩孝
これを自分ごととして何か置き換えられるかっていうのはね、人によってやっぱりだいぶ違うと思いますね。
田中 愼一
そうした時にね、なかなか会社に当て付けて考えるっていうのはできにくいかもしれないけど、自分の人生に考えれば、もう少しこうちょっと身近に感じてもらえるんじゃないかなって気がする。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
だから自分の映画を作ろう、人生という自分の映画を作る。で、必見、トム・クルーズ、ミッション・インポッシブル。副題は何でしたっけ。
中川 浩孝
デッド・レコニングですね。
田中 愼一
ああ、そっか。だからなんか、そういうふうにもっと身近に感じて見てもらいたい映画ですよね。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
だから翻訳、翻訳って言うとまた大げさになっちゃうけど、なんとかな、自分の生きている日常に照らし合わせて。
もちろんね、バイクで崖から飛び降りとかね、いろいろああいうことっていうのはそんな日常で起こるわけがないんだけども、
でも基本的には同じことですからね、映画も人生も。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
そこには主人公がいて、そこにはいろいろ仲間たちがいて、で、こう動くっていうのは人生そのもんじゃないですか。
だからやっぱりどういう主人公になって、どういう台本に基づいて演じていくのかっていうのは自分の人生でも考えていかなきゃいけないんでしょうね。
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