1. 工藤郁子の声日記
  2. #15 フィットしない言葉
2024-04-12 09:08

#15 フィットしない言葉

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ジュンク堂書店那覇店の「沖縄関連本」コーナーについてのお話です

#声日記

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こんばんは、工藤郁子です。今日は2024年4月12日、金曜日の夜です。
15回目の声日記を配信します。 引き続き沖縄を旅しています。
今日は、沖縄県那覇市のメインストリートである国際通りというところを中心に
回っていました。国際通りは非常に大きな商店街で、アーケードがかかった商店街です。
また、牧志公設市場という
市場があることでも有名だと思います。 その辺、見て回っていたんですけれども、
でも、私が一番印象に残ったのは ジュンク堂書店さんでした。
2時間以上滞在しました。
ジュンク堂書店、那覇店さんには、沖縄関連本というコーナーがありますよということを教えていただいてたんですね。
沖縄の本、ぜひ読んでみたいと思っていたので、
行こうと思って行ったんです。 私の中のイメージだと、
棚で言うと、まあ4台とか6台くらいかなってなんとなく想像していたんですけれども、
行ってみたら、なんかすごい
数の台数の棚で、沖縄関連本が展開されていて圧倒されました。
先ほど調べてみたら、沖縄関連本15,000冊以上を揃えていらっしゃるそうです。
すごいですね。 加えてですね、現在
ジュンク堂書店 那覇店さんは15周年記念企画で、出版社がお薦めする沖縄本フェアを開催中です。
なので沖縄関連本の棚がさらにたくさんありました。
本当にすごかったです。それで、沖縄関連本の
企画棚というかフェア棚ではなくて、 常設コーナーの方の
沖縄関連本の棚に最初に行って、 一番最初に目に入ったのが
年中行事とか冠婚葬祭、マナーみたいな感じの、いわゆる実用書の棚だったんですけれども、
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そこがまず面白かったです。
例えば並んでいる本は、『沖縄しきたり歳時記 増補改訂版』
とかだったんですけれども、これはまあまあ 書名を見たときに、へーって思ったんですけど、
他にも、 例えば
『よくわかるウグヮンハンドブック』というのも 並んでいました。
ウグヮンは漢字で書くと、漢字で2文字なんですけれども、
御礼とか、あの丁寧なものにつける御っていう字と、
あとお願い、 祈願とかのお願いの
願いと書いて、この漢字2文字でウグヮンと読むそうです。
そして御願とは、 先祖や神様に祈りを捧げる行事のことだそうで、
沖縄は先祖崇拝が盛んだということは何となく、
知識としては知っていたんですけれども、 実態がどうなっているかは全然わかってなかったということが
わかりました、今回。 例えば、
別の本で、『「御願じょうず」なひとが知っていること』という本がありました。
これは沖縄でベストセラーになっているそうです。
そこにですね、こういう冠婚葬祭関係の実用書って、
だいたいよくある質問が、 見出しとして並んでいたりすると思うんですけれども、
そういう見出しになりがちな、 あるいはよくある質問として書いてあったのが、
例えば、どうして沖縄は旧暦を重んじるの? これはわかりますね。
理解できたんですけれども、 他のよくある質問が、
新しくヒヌカンを祀るにはどうするの? ウコールの灰っていつ、どうやって掃除したらいいの?
ヤシチヌウグヮンって何が正解なの? と書いてあって、
固有名詞から全然わからないものが並んでいて、 でもよくある質問として並んでいて、
びっくりしました。 こういうのを立ち読みをしていたら、
気づいたら、 この冠婚葬祭の棚だけで40分以上過ぎていて、
え、この後にまだ沖縄の自然とか医療健康とか、 歴史、言語、社会、経済、文学、写真集、
あと建築とかもありましたね、めちゃくちゃいろんな棚があるのに。
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最初の棚でこんなに時間を使ってしまったっていうことに気づいて驚きました。 その後は頑張ってサクサク回るようにしていました。
あの、それで、昨日の声日記でもご紹介した通り、
昨日、ライターの山本ぽてとさんのトークイベントが開催されていました。
私も参加しました。 そこで、イベントの最後の方に参加者の方からのコメントで、
こういうのがありました。
ヤマトンチュ、本土の人が書いた文章や言葉は、自分にはフィットしないんだと、
いうようなことをおっしゃっていました。 そして逆に言うと、だからこそ沖縄県出身者である山本ぽてとさんがエッセイを書いてくれて非常に良かったと、
自分にとってフィットしたんです、というようなことをおっしゃっている方がいました。 このコメントを聞いたときに、
昨日聞いたときに、 なるほどそうだろうなぁと思ってたんですけれども、
今日、ジュンク堂さんの冠婚葬祭マナーコーナーで 目当たりにしたのは、
私が知っていて普通だと思っていた 冠婚葬祭、マナー、年中行事と
かなり異なることが行われているということを知って、
それは確かにフィットしないね、っていうことが改めてよくわかりました。
そして、沖縄の人たちが、 沖縄の人たちにとってフィットするものを
もっと知りたいと思いました。 そして知りたいと思った結果、
本をめちゃくちゃ買ってしまいました。 旅先なのに。
もうおしまいだってなるぐらい買ってしまいました。 はい、旅先で本を買いすぎておしまいになりかけたんですけれども、
なんと、 ジュンク堂書店さんはですね、配送サービスというのを提供しています。
これは1万円以上買うと、無料で自宅などに、指定した住所に送ってくれるというサービスです。
これによって事なきを得ました。 セーフっていう感じです。
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では、今夜はこんなところで。 それではまた。おやすみなさい。
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コメント

県産本という言葉があるくらい、沖縄には出版社がたくさんありました。20年前の話です。ポップな冠婚葬祭本「御願ハンドブック」の大ヒットに、出したボーダーインクさんも驚かれていたのがおもしろかったことなど思い出しました。ありがとうございます。 たくさん買われた本、楽しみですね!

ジュンク堂書店那覇店さんのことを、まさにボーダーインクの新城和博さんから教えてもらいました。そのときに「沖縄の人たちが知ってると思っていることの意外な側面を示す本は売れるんです」と仰っていたのですが、その既知は私にとって未知のことが多いと気づいた次第です。 買った本の中には新城さんおすすめの本もあるので楽しみです。

2000年代の那覇で、おおたか静流さんという歌手のライブに行って、ネットの掲示板だったか、新城さんがいらっしゃる場で「◯歳の子連れで楽しめた」とか言ったら、「僕、その近くでした」と教えてくださったことがあります。ちびっこはうちの子くらいだったんですね。…こちらで思い出を述べまくってしまい、申し訳ありません。 その小さなイベントホールはもうなくて、おおたかさんまで亡くなっていたと今日知った、ということまで含めて思い出を更新できちゃいました。ありがとうございます。せっかくなので娘に沖縄のどんなことを覚えているか聞いて、いろいろ話してみたいと思います。ボーダーインクの本も読み返します!

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