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2024-02-29 29:01

31:【技術士】“技術コンサルティングハンドブック”を読む(5/5)【事例編】

読むシリーズ第3弾「技術コンサルティングハンドブック」の5回目、最終回です。
今回は事例編を紹介しました。

■参考リンク
https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274206535/

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つねぞう
ものづくりが好き。工作機械メーカーで設計をしている。猫を飼っている。

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00:05
こんにちは、製造です。
Design Review.fm、第31回目、始めていきます。
このDesign Review.fmは、世の中の様々なもの、主に工業製品や、それに関わる技術コツについて、私の主観で、勝手にデザインレビューをしていこうという番組です。
前回は、私の妄想、世界で初めて宇宙へ打ち上げられる工作機械がこれだ、について話してみました。
今回は、技術コンサルティングハンドブックの方に戻りまして、事例編を読んでいきたいと思います。
事例編は、この1回で終了の予定です。
では、本編をどうぞ。
はい、本編です。
ではですね、技術コンサルティングハンドブックの事例編の方を読んでいきましょう。
私はですね、産業機械の設計者で、技術士の試験の方も機械部門で受験しています。
ですので、この事例編ではですね、様々な部門の技術士の方が回答されているんですけれども、
主に機械部門の方が回答している質問を中心に見ていこうと思っています。
では早速、事例編の1章、経済性管理の内容から始めていきます。
1つ目の質問からですね、いきますね。
質問、工場内における不良率を改善、向上させる方法を教えてほしい、というものです。
これに対して、機械部門の方が回答している内容ですけれども、
ここでの不良っていうのを、まずその稼働前の不具合と定義します。
工場内って言ってるんでね、そのお客様の方に出荷してからではなくて、工場の中の不良。
ですので、部品単体の不良だったり、それを組み立てた時のアセンブリの不良。
具体的にはその部品の受入検査だったり、生産ライン出荷検査というところでの不良の対策を検討しましょう。
手順としては、まず現状を把握、そして改善目標の設定、要因分析、対策の立案、そして効果の確認というところです。
まずそのクライアントっていうのは不良率をゼロにしたいと言うことが多いそうなんですけれども、
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まずは適切な目標値を設定することが大事です。
なぜなら品質とコストっていうのは相反する関係であるからで、
不良率とトータルコストのバランスを見ることが大事です。
トレードオフってやつですね。
ここでちょっとグラフを頭に思い浮かべて欲しいんですけども、
縦軸にコスト、横軸に不良率というふうにとると、
部品っていうのは不良率を下げれば下げるほどコストが高くなる。
右肩下がりの線になり、製造コストっていうのは不良率が上がれば上がるほど高くなる。
右肩上がりのグラフになります。
そしてその部品のコストと製造コストを合わせたトータルコストっていうのは、
どこかに最適値があって、不良率はゼロでも高い値でもなく、
その中間に最適値が出てくるというとこですね。
改善手順の最初、現状把握というところでどういった手法があるかというと、
まずQC手法でおなじみの特性要因図、通常魚の骨と呼ばれるやつですね。
ある不良のばらつきっていうのを魚の頭にして、
そこから骨が伸びるように要因を書いていくと。
それで不良に関するばらつきの要因というのをリストアップしていくということですね。
この魚の骨で見ていく要因というのは40個は限界だそうで、
それ以上はFTAというものを作成していく方がいいそうです。
この特性要因図もしくはFTAで出してきたその要因をですね、
次にFMEAを使って逆分析していって、
その次の品質工学というステップに進むわけです。
FEMAを使って点数づけをしていって、
その不良の原因となる原因の絞り込みと、
あとは優先順位ですね、それをFMEAでやっていくと。
最後にそこの絞り込んだ原因に対して、
さまざまな因子とその効果ですね、
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SN費を見てその改善の対策というのを決めていくと。
そういう一連の流れを最終的にはクライアント側、
自分でできる体力というものをつけさす、
そういうコンサルタントが今注目されているというところで締められています。
ここでちょっと用語の説明をすると、
FMEAというのはフェーラーモンドアンドエフェクトアナライシスの略で、
商品化する機械に対して想定するトラブルが起こり得るか否か、
事前に検討していく活動であると。
そしてFTAはフルトツリーアナライシスの略で、
予想される重大トラブルに関して、
原因や要因をシステムからサブシステムへ、
さらに部品レベレートを分析する活動であるということですね。
次の質問に行きます。
多品種・少量生産ラインの自動化をどうすればいいかということです。
最近の顧客ニーズの多様化だったり、
価格競争の激化などで多品種・少量生産というものが求められていると。
その多品種・少量生産に対応できる生産ラインが今後重要になっていきます。
ここではその多品種・少量生産の組み立てラインの自動化というものを対象にするということですね。
ここでの回答は、以下の手順で進めるのが良いと。
まずは自動化の目的は何かというところですね。
例えば増産主体からなのか、人手不足を補うためなのか、
はたまた品質の向上を狙ったものなのか、というところで方向性が変わってきますよと。
目的が決まったところで、その次は自動化に適した多品種ラインに対応した生産性設計。
生産性設計ですね。デザイン・フォー・マニュファクチャリングを実施するのが必須であると。
その製品だったり部品を作りやすい、自動化で作りやすい構造にすることでその自動化の難易度が変わりますよということですね。
例えばロボットハンドを使ってある部品をつけるとすると、
ロボットハンドが当然人間の手よりも大きくなってしまいますので、
ロボットハンドが入り込む隙間が十分にありますとか、
ロボットハンドだったりある機械でそのものを運ぶときに、
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その製品につかみやすい部分、持ちやすい部分があるかどうかとか、
そういった作りやすい構造にするということが必要ですよということですね。
次は現状の作業や工程の見直し。
今の工程のまま自動化するのではなくて、
一旦現状の工程の3M、無駄、無理、ムラの分析を徹底して行いましょう。
特に無駄は設計上の無駄、製造上の無駄、
作業者責任の無駄というものを徹底的にチェックして排除しますということが大事だと。
そこまでやったところで自動化ラインの計画に入ります。
仕様をまとめて方式を決めていきましょうと。
方式というのはフリーコンベア方式だったり、
全自動にするのか、半自動、人間の作業者と自動機、
両方いるような状態の工場だったり、
またフレキシビリティですね、製品のロットの数が変わったり、品種が変わったり、
そういう対応をどこまでするかとか、
あと保全性・安全性だったり、
あとは設備メーカー、どういうメーカーに作ってもらうか、
そういうところを考えていきましょうという流れですよというところですね。
次に2章、人的資源管理ですけれども、
こちらちょっと機械部門の方の回答がなかったので割愛します。
そして3章、情報管理です。
ここで1つ機械部門の方の回答がしたものがあって、
質問、当社が開発した技術について特許を取得したいというところですね。
ここは特許を取得までの流れだったり、注意点の説明だったので割愛しようと思います。
そして4章、安全管理ですね。
質問です。
ヒューマンエラー対策を全て機械に盛り込めないがどうすればよいかという質問です。
この背景としてはいろいろヒューマンエラーの対策はあるんですけれども、
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全てを盛り込んでしまうとすごいコストとか上がっちゃうんで、
どうしたらいいですかというような内容ですかね。
ここで回答として出されている手順は、まずFMEAを実行しましょうと。
そして現在の故障モードをリストアップしていって、
ここから故障モードの想定をして、その機器に適応する故障モードを選んでいくと。
そして対策を決めましょうというところですね。
故障モードの抽出の中では、その方法として過去のトラブルリストをまとめたものだったり、
再発防止ガイドなんて呼ばれているものがあるんですけれども、
そういうリストを参考にしてあげていきましょうと。
ただそれだけでは故障モードの抽出というものには不足があるので、
ブレインストーミングを使って考えていきましょう。
ブレインストーミングの中の方法としては、ライフサイクル法とシナリオライティング法というものがあるそうです。
ライフサイクル法というのは、その製品の材料から生産して、
お客様が使って、最後破棄されるまで、
そういう製品のライフサイクル全体を考えて、故障モードを抽出していきましょうというところですね。
シナリオライティングというのは、ある想定ですね、あるストーリーを考えましょうと。
例であるのは、じゅんいちろうさんとまきこさんの初デートというのが書いてあって、
デートの時に、この製品としてカメラがあるんですけども、
ストーリーの中でデジカメを持っていくという話を考えて、
そういうシナリオを作って、そこから故障モードを抽出しましょうという方法ですね。
そういった方法で抽出した故障モードを、FMEAの表を使って点数付けをしていって、
ヒューマンエラー対策の方法というのを選んでいきましょうというところですね。
ここでなぜ選ばなきゃいけないかというと、最初に説明したように、
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全ての故障モードに対応させるような製品を考えてしまうと、
その製品というのはすごい巨大化していって、当然そうするとコストアップにすると値段が上がってしまうというところで、
重要なものだけ、本当に必要なところだけ対策しましょうという流れです。
4章は以上ですかね。
次に5章、社会環境管理。
社会環境管理の中であった質問は、親会社の要求もあり、工場の省エネルギーに取り組みたいということですね。
省エネルギーというのは、昨今もすごい求められているところで、省エネルギーの機器を導入しましょうとか、
例えば減らせないのであれば、太陽光発電など再生可能エネルギーを工場の電力として採用して、
トータルのエネルギーを小さくしましょうとか、そういったものはすぐ出てくるんですけれども、
お金がかかっちゃいますよと。中小企業ではそういうものは難しいですよというところで、
あとは教科書的な手順として、省エネルギーの目標があって、現状どれくらいエネルギーを使っているかという現状把握があって、
改善策を立てて、PDCAサイクルで回しましょうと。
というのが工場の省エネルギーの教科書的な手順なんですけれども、なかなかそういう現場サイドではそういったことはやりにくいよではというところで、
今までと仕事やり方をかけずにできる省エネルギー活動はないかというところで、
なるほどと思ったのは、製品のお釈迦、不良品を出さないことですと。
不良品を出さないことが省エネルギーにつながりますよというところですね。
そこでなるほどと思いましたね。
1個不良品を出してしまうと、不良品を作るためのエネルギーというのは無駄になってしまうので、
不良品を出さないことが省エネルギーにつながりますよというところは、
生産現場の方でもすごいやりやすいんじゃないかと、そういう提案が書いてありました。
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次が6章、固有技術ですね。
もうちょっと細かい話がだんだん多くなってきちゃうんで、ざっくりしか話しませんけれども、
1つ目の質問、工場出荷した機械製品の振動防止策を教えてほしい。
機械製品というのは振動するものが多いですね。回転するものだったり、そういう振動するものが多いですよと。
まず見なきゃいけないのは、その設置状況が正しいのかどうか。
製品の推奨する設置方法になっていますか。
まずはパッシブ、自動的にもともとある製品の振動はあるものとして、
それでもたさられる悪影響、振動防止したいという悩みがあるということは困っていると思うので、
まずはその困りごとを改善しましょう。
何か補強するとか、振動を伝えないように防振ゴムを追加しましょうとか、
そういうまずは自動的な対策をやりましょう。
そして次に濃度的な対応策として、そのもともとの振動を小さくする検討。
例えば製品が長間網をしたとか、というところであれば、
部品を交換、修理するという方法が一つありますよと。
そもそもの製品として振動が大きいのであれば、設計変更をしましょうと。
そういう手順で考えていきましょうという回答でしたね。
次にコンプレッサーの振動が大きい、ちょっと見てくれないか。
このちょっと見てくれないかという依頼が多いそうですね。
顧客というのは自分たちが使っている機械の構造というのがあまり理解できていなくて、
ブラックボックスとなっているのでわからない場合があって、
ちょっと見てくれないかという依頼が多いそうです。
そこで振動の要因・原因を究明して、
例えばメンテナンス業者にメンテナンス作業をやってくれという対策を指示したり、
そういうのがコンサルティング・エンジニアリングの仕事ですよというふうに書いてありました。
次も軸受けがいかれているので対策を教えてほしいと。
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そういう質問もあるそうです。
短時間でいかれるというときは必ず原因があって、
潤滑だったり潤滑不良、振動、振ずれ、水などの異物混入、温度が高いと。
そういう原因がありますよ。
そこに対策をしていきましょうというところですね。
ちょっと話が反れちゃいますけど、ベアリングの寿命といえば、
最近私、NSKと九州大学の共同研究というのを見たんですけども、
今のISO規格で計算されたベアリングの寿命というものと、
NSKの耐久試験で確認された寿命というものの間にすごいギャップが大きいそうです。
調べ始めた頃でも20倍。
ISO規格の計算された寿命に対して耐久試験の結果が20倍長いと。
2023年にはそれが50倍以上にも長い。
そういう場合が確認されています。
そのISO規格の計算寿命の方を採用して、
短い時間で部品を交換するとか、
そういう慎重を期すのは悪いことではないんですけども、
必要ないのに交換するというのは廃棄物が増えることになりますので、
環境にも良くないでしょうと。
なんでこういうことが起きているのかというと、
ISO規格1962年にそれができた当時に比べて、
潤滑の技術が向上しているし、
あとはその時空結構、
鋼の品質というものが向上しているらしいです。
その鋼の品質というのは不純物の料理になるんですけども、
そこに寿命というのは影響されますよと。
その玉が転がる軌道面ですね。
軌道面の内側、近いところに金属じゃない介材物、
例えば製造上で混入するアルミナなどらしいんですけども、
その介材物があるところで、
そこに応力集中することで亀裂が発生して剥離しますよと。
それが寿命ですよというところですね。
そこでNSKは調達する鋼材、材料に含まれる非金属介材物というものを
超音波端小法を使って検査します。
その介材物がないことを確認して、それでベアリングを作りますよと。
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これによってNSKの時給計の超寿命性能というものを定量的に示して、
お客様に提案することができるようになったそうです。
ここでちょっと戻しますね。話を戻しますと、
次の質問。
ポンプのオーバーホールの間隔が短い。原因を調べてほしい。
ポンプの不具合の要因としてコロージョン、エロージョンだったり
シールの不具合、振動騒音、温度上昇、かじりつき、
そして性能の低下というのが挙げられているんですけれども、
大事なのはこういう相談があったときに
その不具合の要因となるものをパパッと答えられるかどうか。
これらの内容を知っているということが重要ですよというところですね。
ということで以上、技術コンサルティングハンドブックの
事例編というものを機械部門の回答に限って
ざっと読んでみました。
実例編全部通して言えることだと思うんですけれども、
コンサルタントにクライアントから質問、相談があったときに
その方法を知っているとか、
その分野の知識を持っているというところが非常に重要で、
それに尽きるんじゃないかなという印象ですね。
もうどうすればいいか教えてくれ、
そういった内容がほとんどですよね、その事例編の中はね。
ということで、技術コンサルティングハンドブックの事例編を読んでいきました。
はい、クロージングです。
今週の製造業ニュース。
まずは2月22日ですね。
日経平均最高値を更新。
39,098円。
これはですね、バブル期を超えたそうですね。
すごいですね。
ただこれがその製造業的にどういった影響を与えるのか。
会社にとってはですね、株価が上がるというのは良いことだと思うんですけれども、
とりあえず喜んでおきましょうか。
そして2月24日、TSMC熊本工場の1号棟が完成したというところで、
その開所式が行われたそうです。
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今年の末までに稼働するそうですね。
はい、半導体盛り上がってますね。
どんどんその九州の方で半導体の工場が立ち上がって、
半導体部品、その半導体を製造する工場なので、
その周りには半導体装置のメーカーだったり、メンテナンスだったり、
そういう業者さんがあって、
そういうところでまた工作機会の需要も生まれてくればいいなと思っております。
はい。
というところで、
今日でですね、全部で5回かな。
今日で5回目ですかね。
お送りした技術コンサルティングハンドブックを読むというものが終了です。
次の読むシリーズはですね、技術士ハンドブックですかね。
はい、ちょっと考え中です。
というところで、
ポッドキャストの感想・質問は、
ハッシュタグデザレFM、デザレはカタカナ、
FMはアルファベットで、デザレFMでお待ちしております。
各ポッドキャストアプリでの評価もお願いします。
ちょっと最近、あったかくなってきて、
花粉が飛び始めてですね。
目はかゆいし、
鼻水は出る、鼻は詰まる、
喉は痛いと、ちょっと大変ですね。
ちょっと今も鼻が詰まって話しづらいんですけども、
皆さん、
花粉を気をつけください。
気をつけようがないですけどね。
というところで、お疲れ様でした。
ご安全に。
29:01

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