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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、未来進行形のもう1つの使い道、という話題ですね。
この未来進行形ですね。進行形B-INGというものなんですが、これに未来ですね。未来の助動詞willがついて、will be doingみたいな形になるっていうアレなんですけれども、
この現在進行形があって、それから過去進行形があって、とすると未来進行形もあるということになるわけですが、どういう使い方をするんだろうということですね。
そもそも未来進行形に限らずですね、いわゆる進行形と呼ばれているものB-INGですね。
これは非常に多くの用法を持っている語法ということでですね、なかなか使いにくい、意外と難しい、奥が深いっていうような辞世なんですね。
言語学的に言うと厳密にはですね、辞世、点数というよりはですね、相と言いますね、aspectというふうに言って、その訳語として相ですね、相談の相なわけですが、
なかなか一言でその用法をですね、説明しようとすると難しい。
一番基本の形は進行、その時にある参照点を取って、その時点で進行中であるということ。
これが代表的な役割なので、進行形というふうに呼んでいるんですが、いろんな機能があるんですね、他にも。
実際単純形というのは、doの形を単純形とすると、それに対して進行形、複合的に表す、B-INGで複合的に表すのを進行形というふうに呼びましょうか。
単純形と進行形っていうとですね、この違いがほとんど出ないっていうこともあるんですね。
例えばですね、助動詞、have toみたいな助動詞、あるいは順助動詞と言ってますが、口語的な形は、I have got toみたいな、I've got toみたいな言い方になりますが、
例えばね、もう行かなきゃっていう時に、I've gotta run、走らなきゃっていうような言い方ですね。
それをですね、I've gotta be runningのように、I've gottaの後にbe runningと進行形にするわけですよね。
これ意味の違いはほとんどないと言っていいですね。あるとすれば、分体的な違いと言いますかね、勢いが違う、共通ですよね。
ただ今行かなきゃ、走っていかなきゃというよりも、まさに臨場感があると、進行形なんていうぐらいの違いで、知的な意味はほとんど一緒。
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そこに気持ちが乗っているであるとか、分体的に少し強いであるとか、臨場感があるというような、そうしたニュアンスが上乗せされるっていうことがありますが、
実際には、I've gotta runとI've gotta be runningというのは、ほぼ同じ使い道、同じような意味っていうことになりますね。
こう考えると、この単純形と進行形というのは、非常に微妙なところで意味が違ったり、あるいはほとんど違わなかったりっていう、なかなか難しいものなんですが、
ここに未来進行形っていうものがあるんですね。
最も普通のといいますか、理屈にかなった使い方っていうのは、ある未来の一点をとって、その時点で行為が、行動、動作が進行しているというようなことですね。
現在進行形は、現在、nowっていうのを参照点として、その時点で何かが進んでいるっていうことですね。
過去進行形は過去の一点、それと全く同様に未来進行形も、言い方は難しいだけで、ある意味で未来における現在進行形と考えればいいわけですね。
そういう意味では、理屈にはかなっていますね。
例えば、明日の朝9時という時点、これを参照点として、その時点で何かしているという表現ですね。
例えば、we'll be waiting for you at 9 o'clock tomorrow morningみたいな言い方ですね。
これは、9時の時点でと指定しているので、これを今と捉えて、その時点では何をしている、待っているということで、進行形を使っている。
これが、順当な未来進行形の使い方っていうことです。
他には、例えば、when you reach the end of the bridge, I'll be waiting there to show you the wayのように、
whenである未来の一点を確定すれば、その時点である動作、行為、行動が起こっているんだということで、
これは、いわゆる現在進行形の現在の部分が、そのまま未来に移動したというだけですので、
進行形をなぜ使うかというのは、よく分かるということなんですね。
ですが、これとは、この基本的な使い方とは、ちょっと違う使い方っていうのがあるんですね。
これは、いわゆる単純未来を表すという用法で、つまり、we'll doとほぼ同じなんだけれども、
we'll be doingとも言えるというようなことなんですね。
つまり、ある種のパラフレーズであるということです。
例えば、近々彼に話しかける機会があるだろう、みたいな意味で、I'll talk to him soonという表現がありますね。
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近々彼に話しかける機会がありそうだ、ぐらいの意味ですね。
これとほぼ同じ意味で、I'll be talking to him soonと言えるんですね。
これ、いわゆる進行形にすることで、何か臨場感とか意味の強めみたいなのがあるかと思いきや、必ずしもそうではないんですね。
本当にパラフレーズしてもいいような、I'll talk to him soonに対して、I'll be talking to him soonという表現がある。
じゃあこれ、どう違うのかと。違うんだったら、微妙でもどう違うのかというと、これ、面白いポイントがあるんですね。
よく考えてみると、このwillという未来を表す助動詞ですが、2つ両方がありますね。
未来といっても、いわゆる単純未来、成り行きの未来なんても言いますが、そうなることになっているんだっていうようなものと、あるいはそういう未来にするんだ、つまり意思未来です。
そういうつもりだという、この2つっていうのが大体区別されると思うんですね。単純未来と意思未来。
さあ、I'll talk to him soonっていうのは、先ほどは彼に近々話しかけるような機会があるだろうという、単純な未来を意味するかのように解釈しましたが、実はもう1個の読みがあって、それは彼に近々話しかけるぞという意思です。
つまり、文脈があれば解決することは多いんですけれども、I'll talk to him soonとそれだけ聞くと、これは単純未来、成り行きの未来なのか意思未来なのかってのははっきりしませんね。
これはアンビギュアスです。つまり、彼に話しかける機会があるんじゃないかなぐらいの意味と、意識的に彼に近々話しかけるつもりだという2つの読みがあるわけですね。
文脈によって大体解決するとはいえ、やはりアンビギュアスであるので、場合によっては、コンテクションによっては、やっぱりどっちか分からないという場合がある。
その時に単純未来ですよ、つまり成り行きの未来の意味で言ってるんですよっていうことを明確にするために、実はこの未来進行形っていうのが使えるって話なんですね。
I'll be talking to him soonというと、これは成り行きの読みである。つまり意思を持って彼に話しかけるぞという意味にはならないということになるんですね。
この曖昧さを排除する目的で使われているこの未来進行形っていうのがあるんではないかと。
もう一つ関連する例ですね。
Will you come to the party tonight?
これ2つ読みがあります。
Will youっていうと熟語でよく学ぶと思うんですけれども、何してくれませんかっていう勧誘ですよね。
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つまり、今晩パーティーに来ないっていう誘いかけの読みがありますが、もう一つは単純未来で、
今晩あなたパーティーに来ることになっている人、既に予約している人ぐらいの意味ですよね。
これ2つだいぶ違う意味です。
この時に意思未来、つまり勧誘的な意味ではなく、今晩パーティーに来ることになっている人ぐらいの意味で、
Will you be coming to the party tonight?
というふうに未来進行形を使うことによって、これは単純未来である。
つまり意思というよりは、そういう予定になっている人なのぐらいの意味になるということですね。
こうした2つ機能がある場合に、どっちかをはっきりさせるために新たな表現を使うっていうのも、これも一つの言語変化だと思うんですね。
それではまた。