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2023-04-19 10:43

読書ラジオ『マチネの終わりに』平野啓一郎

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』という本と、映画について話してみようと思います。
マチネの終わりに、天才ギタリストの牧野、38歳と、通信者・記者の陽子、40歳。
深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り会う日はやってくるのか。出会った瞬間から強く惹かれ合った牧野と陽子。
しかし、陽子には婚約者がいた。 スランプに陥りもがく牧野。
人知れず、体の不調に苦しむ陽子。 やがて牧野と陽子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまうが。
芥川賞作家が送る至高の恋愛小説。
この本は平野圭一郎さんという方が書かれていて、この配信でもある男について話したんですけれども、同じ作家さんですね。
平野さんのサイトに読者へのメッセージというのがありまして、これちょっと読んでみようと思います。
小説の中心的なテーマは恋愛ですが、そこは牧野小説ですので、文明と文化、喧騒と静寂、生と死、さらには40代の困難、父と娘、
ベニス西州商工軍、リル家の死といった、 困難、大正、様々なテーマが織り重なって、重層的な作りになっています。
もちろん、前編にわたって音楽の存在は重要です。 透明な迷宮以来、ページをめくる手が止まらない小説ではなく、
ページをめくりたいけどめくりたくない、 ずっとその世界に浸りきっていたい小説というのを考えてきました。
何かとくたびれる世の中ですが、小説を読むことでしか得られない精神的な喜びを改めて追求したいと思っています。
ということで、平野さんもおっしゃっている通り、いろんなテーマが織り重なった小説になっています。
それはある男でも感じたんですけれども、単なる恋愛小説というだけではない、 40歳を迎え、40歳を生き抜いていく男性と女性、
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取り巻くいろんなテーマが本当に織り重なって、 登場人物も多いですし、それぞれに人生がある、というのが小説の中で本当に読み込んでいける。
でも大きなテーマとしては恋愛。 さらにもっと深いところのテーマとしては、未来によって過去は変えられる、という一貫したテーマがその背景にはある。
これはですね、牧野のセリフで、 小説でももちろん出てきますし、映画でも牧野を演じられている福山さんがおっしゃる言葉なんですけれども、
未来が過去を変えられる、これが小説全体を貫く一つの大きなテーマになっています。
良かった悪かったどちらもあると思うんですけれども、 あの過去があったから今の未来がある、というのは、
今の自分がいるというのは、現在自分がいる 視点から過去を振り返った時に、その過去を評価して
そこで発生した事実に対して自分が文脈を与える、ということですよね。 今幸せだったらその過去も肯定的なものになると思いますし、
今もしかして不幸だったとしたら、過去を 楽しかったこともすべて
良くなかったこと、不幸なこととして文脈を与えてしまうかもしれない。 どんなことがあっても常に過去は変わっていく。
それは未来が過去を評価して文脈を与えるから、未来が過去を変える。 そんなようなことが小説の牧野と陽子以外のところでも、
そういう未来が過去を変える、というようなことが読み解ける小説が入っています。 まあでもとは言っても、
恋愛小説なので、
恋愛小説とあと音楽ですね。 牧野はクラシックギターのギタリストなんですね。
なので映画版を見ていただくと、 ギターの音色、
演奏している時の牧野の表情、
いろんな場面でその演奏シーンというのが出るんですけれども、やっぱり引き込まれてしまう。 小説ではその音楽を感じるということはなかなか難しいですが、映画版では
目と耳でそれを感じることができる。 小説のダイジェスト版というかハイライト版が映画になっていて、とても忠実に作られていると思いましたので、
もしかなり重厚な小説なので、 読む時間がないという方は、映画の方でも十分楽しめるのかなと思います。
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実はですね、この恋愛小説なんですけれども、牧野と陽子は3回しか会ったことないんですね。
その1回目の出会いで牧野は深く陽子に恋をしてしまうんですよ。 陽子も
どうしても引きつけられるものを牧野に感じていた。 そこから2回3回でかなり深いところまでお互いを求め合ってしまうんですけれども、毎回すれ違ってしまう。
最後、この2人の恋愛がどうなるのかというところがラストシーンになっていくんですけれども、その間でいろんな人生における障害だったり、恋愛自体に障害が発生する。
その壁を乗り越えることができるのか。 乗り越えようとするんじゃなくて、
どこか空虚だったり、虚しい時間というのを味わっていくのか。 その過去が現在、過去にとっては未来ですよね。
だから見た時に、あの過去のことを評価して、やっぱり未来が過去を変えていくんだと思えるのかどうか、
みたいなことを見ている側にも読み手にも思わせるような、どこか自分の人生を
振り返りながら、あとは私はちょうど今年40歳になるので、この牧野とか陽子と同じ世代なわけですね。
これからの自分の人生はどういうふうになっていくのかとか、今私はどこに立っているのか、
みたいなことをしみじみと感じるような映画でした。
大人の恋愛小説と言ってしまえば、それだけなんですけれども、
ページをめくりたいけどめくりたくない。 ずっとこの世界に浸りきっていたい。
映画も最後を見たいんだけど、まだこの空気を味わっていたい。
と思うような、本当に至高の恋愛小説、恋愛映画だなと思います。
最後これだけは言わせて欲しいんですけど、私は石田ゆり子さん大好きで、
ケーブルニット、ケーブル編みのニット、わかります? 三つ編みみたいな
模様が編み込まれているニットを、 これだけ素敵に着こなせる女性っていうのはもう他にいないんじゃないかと思いますね。
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石田ゆり子さんの映画の中での服装、
洋服だったり、鞄だったり、その佇まい、 仕草、それだけでももう私は
見てよかったと思う映画でした。 石田ゆり子さんファンの方にも絶対おすすめの映画です。
小説も映画を見てから小説でもいいと思いますし、小説を読み込んでから映画、どちらでも楽しめると思います。
この牧野のモデルになったというんですかね、 実際に
ギタリストとして活躍されている福田真一さんという方がいらっしゃるんですけれども、 その方はこのマチネの終わりに出てくる
牧野が弾いている曲目ですね、それをアルバムとして出されてたりするので、 小説読まれる方は音声配信、音楽配信
アプリとかで福田真一さんのギターを聴きながら 小説読まれるとその世界観にクッと入っていけるんじゃないかなぁなんて思います。
ということで今日は平野圭一郎さんのマチネの終わりにという本を 本と映画について
話してみました。 この配信が気に入っていただけたらいいね、コメント、フォローお願いします。
励みになります。 今日も最後まで聴いていただいてありがとうございました。
ではでは。
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