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2023-10-27 18:27

読書ラジオ『世界の美しさを思い知れ』額賀澪

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いつも聴いていただきありがとうございます。

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世界の美しさを思い知れ https://amzn.asia/d/57KOnYq

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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、 額賀美雄さんの『世界の美しさを思い知れ』という本について話してみようと思います。
はすみたかとと尚人は一覧性の双子。 弟の尚人は人気俳優だったが、遺書も残さず自殺してしまう。
葬儀後に見つかった尚人のスマホのロックは顔認証だった。 彼と売り二つの尚人は顔認証を突破できてしまう。
そこには、レブン島行きの航空券が届いていた。 旅行の予定があったのに、弟はどうして自殺したのか。
尚人は尚人の遺骨とともに旅立つ。 弟の死の理由を求め、旅はレブン島、マルタ、台湾、イギリス、アメリカ、ボリビアへと続いていく。
ということで、この本はですね、フォロワーさんから教えていただいた本になります。
そのフォロワーさんからはですね、 こんな風に紹介していただきました。
独領後にもう一度、タイトルを見るとグッときます。 タイトル、世界の美しさ思い知れ。
タイトルが書いてある表紙はですね、 骸骨が空に浮いていて、
その骸骨の頭部ですね、頭の頭頂部のところには、 すごいカラフルな花が飾り付けてあってですね、
これ一体何だろうと思いますね。
読んでいくと、この骸骨が何なのかっていうのがわかります。 それはですね、
旅する最後の場所、 ボリビアのラパスですね。
ボリビアのラパスには、亡くなった人の骸骨に花を飾り付けるというお祭りがあるそうです。
ボリビアに行くまでに、 タカトはすでにレブント、マルタ、台湾、イギリス、アメリカを旅しているわけです。
そのボリビアまでの旅もそうなんですが、 タカトが旅をする場所、そこでどんなものを見て、
どんな風景があって、どんな人がいて、 タカトがどんな風に思ったのかっていうその描写がすごく細かくですね、
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まるで自分がそこにいるかのように、 読者が想像できるような詳細な描写で描かれています。
それはまさにその世界の美しさを思い知れっていうタイトルの通り、 自分が行ったことのない場所を、この本を読むことによってありありと想像できてしまう。
そんなような世界の美しさを読んでいるだけで体感できるような、 そんな旅先の描き方、表現の仕方がされていました。
例えばですね、ボリビアの墓地にタカトが行くシーンですね。
赤、青、黄色、ピンク、オレンジ、墓地とは思えない色彩で死者の眠りが彩られている。
ぬいぐるみやタバコ、本が添えられている墓もある。 死者が生前好きだったものを残された者たちが、こうして墓に飾るのだろう。
一つとして同じ墓はなく、このまま墓を歩いていると、どこか遠い場所にたどり着いてしまう予感がした。
鮮やかでかごわしい香りがして、あちこちから声が聞こえてきそうだ。 人は意外と色鮮やかで賑やかなものなのだと。
タカトがどんな気持ちで、このボリビアの鮮やかな墓地を旅したのかと思いをめぐらしてしまうような、そんなシーンですね。
タカトは、双子の弟のナオと、何の予兆もなく自殺で亡くするんですね。
その自殺を見つけたのは、ナオとのマネージャーでした。 そのマネージャーも、ナオとの自殺の原因がわからない。
医者もなかった。 そんな素振りを全く周りに感じさせることなく、ナオとはいきなり自殺して、みんなの前から姿を消してしまったわけです。
残された者たち、タカトや家族、マネージャー、ナオとと付き合っていた女優、みんながやっぱり戸惑うわけですね。
そのナオとの死を受け入れられない、理由がわからない。 自分ができることがあったんじゃないか。
攻めてしまう。 タカトは一覧性の双子でもあったわけなので、本来人は生まれてくる時は1人、死ぬ時も1人。
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なんだけれども、タカトとナオとは生まれてくる時は2人だったわけですね。 同じ細胞、一つの細胞が分裂した一覧性の双子であるという、その絆をお互いに強く感じていたからこそ、
勝手に一人で死んでしまったナオと。 タカトはそんなナオとを憎むことはできない。大好きな最愛の弟なので。
だからこそ苦しい、
攻めることができれば、自分のその悲しみや生きどり、やり場のない悲しみをぶつける先があれば良かったのかもしれませんが、それをぶつけることもできない。
そんなやりきれない思いを抱えて、タカトはナオとの骨、指の骨一つ、
抱えて、ナオとの
フクモの旅に出ると。行く先々で、ナオとが出会った人たちともう一度出会い直したり、そんなことをしていくうちに自分が
その、亡くなったナオとの足跡をたどっていって、
それが、そのフクモの旅であるとともに、どこかそのナオとの
人生を自分が生きているかのような、 自分がナオとになっていくような、
そんな感覚もあったのかなと思います。 そしていくうちにタカトも
死というものに
吸い寄せられていく。 そんな不気味さもありました。でも、タカトをこの世に踏みとらせるような
人との出会いがあったり、 タカト自身の思いがあったり、
最終的にナオとがなぜ自殺したのかが
わかるのかどうか。 それについてはあの本の中で、
本を読むことでわかる部分かなと思いますので、 ここでは言及しないんですけれども、
そんな、
ナオと追いかけつつ一緒に旅をしながら、 ナオとの死を受け入れていく、
という、 悲しい旅ですね。
その中で、タカトが何を思って、
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ナオとの死をどういうふうに受け入れていったのか。 ナオとが自殺する時に、
映画の主演を演じていたんですね。 その映画のラストシーンを撮る直前で、ナオとは自殺してしまったわけです。
その映画のタイトルは、美しい世界。 その映画は完成されることなく、ナオとの死から1年経っても、
ラストのシーンが撮られることなく、 そのままお蔵入りになる、
そんな状況だったんですけれども、タカトは旅を終えた最後、 その美しい世界に、
ナオとの大役として、 出演するということを決意します。
そこには、いろんなところに旅をしてきて、 ナオとの死を受け入れていく中で感じたこと、
自分が生きていくことが、 亡くなったナオとや、ナオとが残した仕事、人、
この世界に対して、自分ができることが何かあるのではないか。 そんなふうに考えて、旅を終わらせた後、
この美しい世界に、大役として出るわけです。 それが本当にラストのシーンで描かれているんですけれども、
まさにそのタカトが、ナオと一体化するような、
さらに二人でそこを、 超越していくような、
神がかり的なラストシーンだったんじゃないかなと、 読んでいて思いました。
で、このラストシーンの後、美しい世界の映画のクレジットのような、 黒い背景の中に、
ハズミ、ナオと、 出演者の名前があって、
創作指揮者の名前があって、 ヘアメイクさんだとか、監督、主題歌の名前があって、 そのクレジットの中には、
大役、ハズミ、タカトの名前もあるわけです。 これで終わりかなぁと思ったんですが、
その後、最後ですね。
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30年以上経った後の、ある新聞記事が掲載されていて、 それがこの小説の最後になります。
私が、私にこの本を紹介していただいたフォロワーさんは、 言っていた、
読了後にもう一度タイトルを見るとグッときます。 と話されていたのは、この最後のページ。
単行本で言うと324ページ。 読み終わった後、タイトルをもう一回見てほしいという、 そういうメッセージだったのかなと思いますが、
確かに、あの、 おっしゃる通りで、グッと込み上げるものがあってですね。
最後の一文を読み終わって、 もう一文というか、
本当に最後の何文字かですね。 読み終わって、4行ぐらいかな。
本を閉じて、このタイトルをもう一度見た時に、 言葉にならない、ちょっと息をするのも忘れてしまうような、
そんな、 不思議な時間があってですね。
そういうことかぁ、と。 言葉にならない、不思議な感覚を、
の何秒間かを過ごしました。 あの、自分の大切な人の死を乗り越えていく、
っていうことは、その死が、まぁどんな、 戦ってもたらされたものだったにしろ、
残された人たちがそれを受け入れていくっていうことは、 想像を絶する苦しみ、
があると思うんですね。 大切な人であればあるほど、
当事者にしかわからない、 苦しみや、生きどおり、
受け入れがたい感情っていうのが、 あるんだろうなぁと思います。
それを、まさにこの本一冊、 ほとんどの紙面を裂いて、
その、死と向き合っていく、 一覧性の弟の死と向き合う兄、
というものを書かれた、ぬかがみおさん。 なんですけども、そこにはその、
悲しみだけではなくて、 世界の美しさですね。
まだ知らない場所、 知らない場所の匂いや風景、
どんな色が見えるのか、 そこに行ったらどんなことを感じるのか、
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亡くなった人の代わりに、 自分はそういうことを感じることができる。
世界の美しさを思い知ったのは、 もしかしたらタカトだったのかもしれないし、
それを伝えていくのが、 残された自分にできること、
やらなければいけない使命なのかと 思ったのかもしれないなと、
思いました。
この本はですね、本当にあの、 たくさんの人に読んでほしいですね。
コロナ禍で自殺をされる人のニュースっていうのが、 テレビでよく見るようにもなりましたし、
携帯のニュースとかでもね、出てくるようになって、 そこにはいろんな思惑だったり、
身づけ、いろんな人の解釈が、Xツイッターとか、 ニュースのコメンテーターとかでね、流れてくるんですけれど、
本当のことはその人にしかわからない。 その周りの人にしかわからない。
その人の物語っていうのは、周りが勝手に作るものではないな、 というふうに思うんですよね。
そんなところに、そんな世界に
疑問を投げかけるような、 そんな本でもあったのかなというふうに思いました。
そういう点では非常に考えさせられる本だったなと。 ということで今日は、
ぬかがみおさんの、「世界の美しさを思い知れ!」 という本について話してみました。
改めてご紹介してくれたフォロワーの方、 レッターをいただいた方、本当にありがとうございます。
素敵な本でした。素晴らしかった。 ということで、
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私も張り切って読んで、感想をお話ししたいなと思いますので。 いや正直言うとプレッシャーはあります。
あの、 紹介してくれた人の
気持ちの熱量に見合うだけの感想が話せるのかなという点で、 非常にプレッシャーがありますが、
それでも、新たな本を知る、 その本の魅力を知るということには、
18:00
好奇心には逆らえないので、本当に楽しみにして、
紹介いただけると読んでますので、 ぜひまたおすすめの本を紹介していただけたら嬉しいです。
今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。
18:27

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