見知らぬ者同士が出会い、夫婦となる。
それぞれが抱く家族像を擦り合わせ、自分たちの家族像を作っていく。
そこに生まれる反発や葛藤を乗り越え、どうすれば僕たちはオリジナルの家族像を作ることができるのだろうか。
アツの夫婦関係学ラジオ、このラジオでは、夫婦関係をより良くしたい、そんな方向けに関係改善のヒントをお送りしています。
今回も前回に引き続き、NPO法人ただいまの代表を務める三木智成さんにお越しいただきました。
三木さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前回は、家事シェアというのは何なのかというところから、
夫婦がお互いに結びつけ合うための法律のお話をいただいて、すごく僕、参考になったんですね。
家事シェアというのは分かったつもりだったんですけど、そういう概念でおっしゃっていたのかということはすごく理解できて、
今回は三木さんがホットキャストでもトピック投げられている、自分たちの家族像、
このオリジナルの家族像をどうやって作っていったらいいのかというところをお聞きしていきたいなと思うんですね。
例えば、すごい定主感覚な家庭で育った夫と、そうではない家で育った妻の場合って、
一緒に結婚したときに、いろいろうまくいかないことってあったりすると思うんですよ。
そういったケースに限らず、外国人同士は結婚するようなものだと思うんですよね、夫婦って。
全然違う家庭環境で育っているので。
そこをどうやって折り合わせて、擦り合わせて、自分たちにとって過ごしやすい家族を作っていくのか、
自分たちにとっての家族像ってどうやって築いていくのかっていうのってすごい課題だと思うんですね。
ミキさんがおっしゃっていた、ご自身が過不調性の傾向の高い家庭で育ったとおっしゃってましたよね。
ですけど、今って家の中の8倍の家事をやられてるじゃないですか。
それってすごい大きな変化だと思うんですよ。
なんでそんな過不調性の傾向の高い家族、
ポッドキャストにもおっしゃっていた、お父さんとかおじいちゃんとかが、
俺は牛肉が食べたいんだよねって言ったら、お母さんがはいって言って用意をして出してきたりとか。
で、お母さんがなかなかご飯を食べれなくて、ずっとみんなの世話をしてるとかっていう家族で育った。
なんで今そうなれたんですかね。
最初にミキさんのどういった家庭だったかっていうのを教えてもらってもいいですか。
はい、もちろんです。
僕の家は田舎の家だったので、やっぱり男性が基本的には偉いっていう家だったんですよね。
男性が家の中のことだったりとか、要は力仕事じゃないこと、家事とか、そういうのをやるっていうことは基本的にはもうないと。
やっぱりそれは女性の仕事であり、お母さんとかおばあちゃんとかがやることだから、そこに口を出す必要はないっていう。
料理も掃除も洗濯も男はやらなくていい。
基本的にはもうやらなくていいと。
嫌なことに、男がそれを手を出すときは、足りてないんだぞっていうニュアンスを含んじゃうんですよ。
なるほど、ちゃんとお前ができてないからやってやってんだぞみたいな。
例えば祖父とかがおもむろに掃除を始めたりするんですね。
そうすると、家中の空気がピンと張り詰めるんですよ。
やっべーみたいな。
お母さんとかおばあちゃんが足しできてなかったのかなみたいな。
やってなかったのかなみたいな。
そこが汚かったんだなみたいなので、すぐに祖母とかが掃除を変わるとかね。
っていう感じで、だからもう若干恐怖な感じなんですね。
怖いですねそれは。
そうっていうのが、僕が育てた家の家事とかのやり方っていうところで、
田舎の昔ながらのお家だったら、多かれ少なかれそういうところってあったりするのかなっていうのは思うんですよね。
なるほど。そういった家庭で育ってきたじゃないですか。
三木さん自身もそういった感覚って持って育ったんですか?
そうですね。あったと思います。
今でももしかしたら無意識のうちにどこか、今あんまないかな。
でももしかしたら意識してないとそういうところが出ちゃったりとかはするかもしれないなって思ってはいます。自分では。
そんな人がなんで8割も彼氏をやるようになったんですか?
すごいギュンって飛びましたよね。
ギュンって飛びましたね。
でもやっぱり妻と出会ったっていうところは大きくて、
それまではそこまでじゃなかったにしても価値観としてやっぱり女性が家事をやるっていうことに対して違和感も抵抗感も一切なくやってくれるもんだって思って別に疑ってもなかったんですよね。
ただ妻が結婚するときに私は家事が得意じゃないですからってはっきり宣言をしてきたんですよね。
結婚する前に。
結婚する前に。
で、その前にちょっと同棲はしてたので、なんかその気はなんか薄々感じてはいた。
なんかあんまりやらないなみたいな、好きじゃないのかなみたいな。
そうそうそうそう。
で、僕が割と料理が好きだったりとか、インテリアをやってたから部屋のことにちょっとうるさがったりとかっていうのもあったので、
うちの妻からしてみたら多分高い家事、スキルの家事を求められても私はそんなことはできないし、やるつもりもないですよっていう宣言だったと思うんですけど、
本当にそれに対して無意識だったので、それを宣言されたときにシンプルに驚いたんですよね。
その言葉の意義とする意味っていうのは、僕が妻に家事をやってもらうことを前提にするなよっていうことであり、
それはそういうふうになっちゃう可能性があるんだなっていうことを知った一言でもあり、その一言でいろんなことを僕は考えましたね、そのとき。
でもそのパパさんの意見は一個も反映されてない。大丈夫なのかなって思ったらパパさんも戻ってきて、
こんな感じですけどどうですかって聞いたら、妻が住む部屋ですから妻の好きにしていいと思います。
で、なんかちょっと聞いたら妻思いのいい人だなって思えるんですけど、そこに自分の意思を反映させないっていうことは自分の生活に加担しないっていうことだなっていうのを思って。
で、そういう人多かったんですよ。
すごく例えば自分の住んでいた家のこととかを思い出しても、例えばトイレとかに、トイレのドアノブとかに冷たくないようにってカバーとか。
実家とかにありました。
ありますよね。
で、ああいうカバー、つけてる人が来てたらごめんなさいね、すげえダセえなって思ってて。
まあ確かに、デザインあんまりイケてないの多いですね。
そうなんですよ。で、そういうのはトイレに象徴されるいろんなものっていうのがとにかくダセえなっていうのがすごい多かったりとかしたんですけど、
家の中で実権を握ってる人って家事やってる人なんですよね。
だからその父にしてみれば、うちの父にしてみればそんなこと気も向かないから口も出さないわけですよ。
だから母好みの部屋になっていくとか。
って思った時に、僕は妻と結婚をして、家事を自分がもししなかったら、
この部屋、それなりに一人暮らししてた家も自分なりのこだわりのある部屋だったんですよ。
この部屋が全部妻色になると。
なるほど、ドアノブで変な布切りを重ねられたかもしれないね。
重ねられた時に、俺はそれを拒絶することができないかもしれないと。
拒絶されたら断れないかもしれない。
実際にすごい象徴的なことがあって、妻と結婚前に同棲した時に、
妻の荷物は当然入ってくるじゃないですか、同棲したから。
いろんなものが入ってきたんですけど、その中で1個どうしても許せないものがあって、
それがピンク色の、ビビットなピンク色のでっかい洗濯箱だったんですよ。
一応そうでした、それ。
あ、ありました。
そうでね、そのビビットなピンクが本当に嫌で、これはいかんと。
これだけはダメだと思って言ったんですよ。
これはちょっと買い替えたいと。
そしたらもう妻がバチギレしまして、
洗濯をしないお前に洗濯箱について文句を言う権利はないってめちゃくちゃ言われまして、
あ、やばいなと。このままではやばいと。
洗濯しようと。
それで洗濯しようと思ったんです。
っていうのもあったんですよ。
そういう節々に自分の思ったものを反映できなくなるっていうことだったりとか、
妻は家事が好きじゃないっていう宣言をしてきたってことだったりとか、
っていうのがいろいろ重なって、
その結果、自分の無意識の価値観っていうものを変えていかないと、
もしかしたらいけないのかもしれないなっていうのが思うようになりました。
例えばその無意識の価値観でどういったものがあったんですか?
なので、無意識だから気がつかないっていうことがすごく大前提にあるんですね。
だから妻が言ったこととか、僕が思ったことに関して、
基本的に意識的になるようにしました。
ってなったときにイラっとした自分を一回見つめ直して。
よく見つめ直しましたね。イラっとしたまま終わっちゃう人多いですけど。
そうですね。イラっとした原因が知りたかったんですよね。やっぱり。
なんか引っかかったなって思ったんですね。
そう。イラっとしたときに、なんで俺は今イラっとしたんだろうとやってくれてなかった。
でもやる約束したっけ?いや、してないな。
約束してないのにやってくれてなかったことに対してイラっとした。
でもやってくれたときにそんなにすごい感謝したことってあったっけ?
いや、なかったよなとか。
とにかく自分の中の無意識のバイアスみたいなものに気がつかないといけないっていう意思はすごくあった気がします。
それってなんでそういうふうに気にかけることができたんですか?
それこそきっかけは妻が私は家事好きじゃないって言ったことなんですけど、
それを聞いたときに僕たちはこれから自分たちの家庭を作らないといけないって思った。
それを聞いたときに。
それは今まで僕が生きてきた家庭でもないし、妻が過ごしてきた家庭でもなくて、
自分たちで新しくゼロから作っていくものを作んなくちゃいけないって思った。
僕と妻のやり方を見つけなくちゃいけないって思ったんですよね。
2人にとってのやり方を見つけなきゃいけないって思ったんですね。
だから妻の価値観を100%受け入れることも別にないし、
かといって僕の意見とか価値観っていうものを彼女に100%押し付けるっていうこともないです。
揉めたりしないんですか?2人で自分たちの家族像を作っていこうとしたときに。
料理のこととか、洗濯のこと、掃除のこととか、
他に生きていくにあたっての価値観ってあると思うんですね。
子供に対する教育の仕方とか、いろいろ細かいところがたくさんあると思うんですけど、
そういったところで衝突したりとかってなかったんですか?
大きな喧嘩っていうのは今まで1回もなくて、
ただ1回価値観がバチンと割れたときはあって、
それ何のときかっていうと、娘が3歳になったときに我が家は京都に移住をしてるんですね。
それ何で移住したかっていうと、娘の幼稚園環境を変えたいと思って、
それまで行ってた保育園もすごい良かったんですけど、
4歳から幼稚園を選べるので、幼稚園を選べるんだったら、
ただ預かってもらうだけじゃなくて、
もうちょっと面白い幼稚園に通わせたいなっていうのがあったんですね。
そこまでは価値観一緒だったんですけど、
その後、最初鳥取に移住しようということで。
結構いろいろ考えたんですね。
そうそう。鳥取に僕実家があるんですよ。
別に実家があるからだけじゃないんですけど、
そこにある森の幼稚園っていうところがあって、
実家も近いし、森の幼稚園っていうところがあって、そこがすごく良いと。
もう1回見学も行って、娘も楽しそうにしてる。
家も決めてきた。
あとはもう引っ越しの日にちを残り3ヶ月ぐらい待つだけだと。
もうほとんど決定って感じですね。
決定する状態だったんです。
ところが、その森の幼稚園がいろいろあって、運営に。
夕方までお預かりしてくれる予定だったのが、2時ぐらいまでしかできないと。
早いですね。
うち友働きなので、妻も仕事をしてると。
僕も仕事をしてると。
2時に娘帰ってきちゃったら仕事にならんと。
でも超田舎なので、他に預かってくれるところなんかないわけですよね。
でも、そういう話を聞いたときに、うちの妻はめちゃくちゃキレまして。
誰にですか?
幼稚園側に。
話が違うって言ってましたね。
話が違うもあるし、ちょっと細かいことはあれなんですけど、
要はその幼稚園が掲げてるビジョンってちょっとずれてんじゃないかっていう大事なところがね。
っていうのをすごく感じたみたいで、そこには通わせんと。
嫌だと。
完全に引きになったんですね。
完全にダメだってなって。
ダメだってなっても、もう家も決めてるし、そこに通うって準備もしてるし。
どうすんだと。
で、そこで揉めたんですけど、僕はいろいろあると思うけど、
お預かりができないにしても、何か夕方まで預けられる手段を見つけて、
鳥取に移住したらいいんじゃないかっていう側だったんです。
移住派だったんですね。
移住。で、ただ妻は移住は移住なんですけど、違うところに行くと。
で、京都に知り合いからいい幼稚園教えてもらったから京都にしようって突然言い出したんですね。
鳥取から京都に。
今まで京都のキの字も出てこなかったのに、急に京都とか言い出して、
京都とか言い出して、なんだと言ったこともねえよ京都なんて。
寺しか知らんわっつって。
なって、でも彼女はいかに京都がいいかみたいなことをめちゃくちゃまくしたててきたんですよ。
もう完全に気持ちそっちに行ってたんですね。
行ってた。
で、これはまずいなと思って、その時にちょっと時間をくださいと。
で、このままだと売り言葉に買い言葉でうわーって議論になりそうだった。
喧嘩になりそうだったので、一旦ちょっと待てと。
分かったと。君の言ってることは分かったと。
でもまだちょっと落ち着かないから少し時間をくれっていう話になって、
そこから3日ぐらいから、もうね、移住するんだったらあと3ヶ月ぐらいで決めなくちゃいけないからあんま時間もなかったんですけど、
そこから3日4日ぐらい、妻が一言も言わずにほっといてくれたんですよね。
全然採側しなかった。
採側しなかったです。
すごい。
で、その間に妻への悪口をひたすらスマホに打ち込み。
そんないい人だことやってたんですか。
いや、一回ね、その問題の本質ってなんだっけっていうのをちょっと考えようと思ったんです。
で、全部思ったことを妻に言わないでスマホに書き出して、そこから、
これは俺の感情、ここは解決しなくちゃいけない課題とか、
例えば妻の言ってること破綻してるみたいなこととかっていうのは僕の感情なんですよね。
で、もう言ってることはこうで、これはこうでっていうのは全部振り分けたんですよ。
なるほど。
はい。
自分のただのネガティブな反発の感情だったりとかしたわけですね。
そうですそうです。で、それを一旦振り分けて、
で、なおかつ京都側の立場に立って、僕は自分で自分を一旦プレゼンしてみたんです。
京都っていいよねっていうプレゼンを自分にしてみたんですね。
ってなると、相手の気持ちもちょっとわかるようになるんです。
で、3日か4日ぐらい経って、じゃあ一回話し合いをしようと。
で、一旦僕の言ってること最後まで聞いてくれと。
で、やっぱり売り言葉に変え言葉になって、僕が言ってる途中で君が口を出して、
ああでもない、こうでもないって言い出すと話が最後までいかないから、
一旦全部聞いてくれと。一旦全部聞いた上でどうするかを一緒に考えよう。
なるほどなるほど。テーブルに出すと。
出す。で、一旦全部だからもう1時間半ぐらい。
長っ。たまりに溜まってますからね。
めっちゃ長いっすね。
ずーっと喋って、妻はその間もう挨拶とかは打つけど、とにかく反論は一切せずに最後まで聞いて、
で、その結果一回じゃあトート見に行こうと。だって行ったことないからわかんないと。
一回見てみて、それで娘の様子とかお互いの感じとかを見て、良さそうだったら京都行こうと。
ここやっぱないわって思ったらちょっと考え直そうという風になって、
でもまあね、一回見に行くってなった時点で8割方僕はもう京都でいいやって思ってるんですよ。
そうですよね。
そうなんです。だからまあ行ってもうそのままスムーズに京都になって京都に移住したっていうことなんですけど、
そういうのは一回も見そうなことっていうのはやっぱりありました。
それでその意見はバレたけどミキサーの中にあった相手からの言葉を受けて感じたこの野郎っていう気持ちと事実がごっちゃになってたんですよね。
そのごっちゃになってたのをスマホにダーッと打ち込んでいって、
これ俺がちょっとおかしいなとか、確かに妻の言うことは一理あるなって分析していったんですよね。
その時は知らなかったと思ったんですけど、ずっと自分に言い聞かせてたのが、
彼女は自分たち家族を良くしようと思って話をしているんだ。
そこだけは絶対疑っちゃいけないって思った。
だから言葉が荒くなってくると、お前の考えは間違ってるんだみたいな。
否定しちゃうんですね。
そうなるんだけど、彼女は僕を否定したいわけではなくて、
どうやったら娘にとっても良い場所を与えられるか、僕たちも楽しく暮らせるかっていうことを考えて提案してきているんだから、
そこだけは疑っちゃダメだっていうのは、書き出しながら何回も自分に言い聞かせてました。
流されそうになっちゃうか?
自分の感情に流されそうになる。
相手をどうやったら追い詰められるか、どうやったら論破できるか、